履歴書の「インドネシア語」。転職で評価される正しい書き方とアピール術
転職(中途採用)で「インドネシア語」はアピールになるか
転職活動で履歴書を作成する際、「インドネシア語」の学習経験や実務経験をどう書けばよいか、悩む方は少なくありません。「TOEICや英検のように、一般的な資格試験ではない」「どう書けばアピールになるのか」と不安に思うのは当然のことです。
しかし、結論から言いますと、インドネシア語のスキルは、現代の転職市場において「非常に希少(きしょう)価値が高く、他者と圧倒的な差別化が図れる」強力な武器です。
インドネシアは、多くの日本企業にとって「重要な生産拠点(製造業、自動車産業など)」であり、また「巨大な成長市場」でもあります。
英語や中国語のように「できる人」が多すぎないため、あなたの「オンリーワン」の強みとなり得ます。
採用担当者は、そのスキル自体だけでなく、**「なぜ、その言語を学んだのか」という「探究心」や「継続力」**にも、応募者としての人格的な強さとして、強い関心を抱きます。
ここでは、あなたの「インドネシア語」スキルを、採用担当者に「強み」として正しく伝えるための、履歴書の書き方を詳しく解説します。
1. 履歴書の「どこに」インドネシア語スキルを書くか
アピールの仕方によって、記載するのに最適な場所が異なります。
1. 「免許・資格」欄
(客観的な資格・検定を持っている場合)
これが、あなたのスキルを客観的に証明する最も強力な場所です。「インドネシア語技能検定試験」や、「UKBI(ウカベイ)」といった認定資格を持っている場合は、ここに記載します。
2. 「自己PR」欄
(資格はないが、実務経験や留学経験がある場合)
資格はなくても、実務(仕事)で使っていた、あるいは留学・在住経験がある場合、この欄で「どのレベルで使えるのか」を具体的にアピールするのが最適です。
3. 「趣味・特技」欄
まだ学習の初期段階であったり、趣味として学んでいたりする場合でも、「特技」として記載することは有効です。「特になし」と書くより、遥(はる)かに強い印象(知的好奇心、継続力)を残せます。
2. 【最重要】「免許・資格」欄への正しい書き方
履歴書は公的な応募書類です。「免許・資格」欄には、略称ではなく**「正式名称」**で記載するのがビジネスマナーです。
NGな書き方(略称)
- (NG例):イ検 B級
- (NG例):インドネシア語検定 B級
OKな書き方(正式名称)
「試験」に合格した場合は**「合格(ごうかく)」、特定のレベルを「認定」されたり、スコアを「取得」したりした場合は「取得(しゅとく)」または「認定」**という言葉を使います。
【正しい記載例:インドネシア語技能検定試験】
(※日本インドネシア語検定協会が主催する、日本国内の検定です)
〇〇年〇月 インドネシア語技能検定試験 B級 合格
(または、A級、C級、D級、E級)
【正しい記載例:UKBI(ウカベイ)】
(※インドネシア政府教育文化省が主催する、公式の国家認定試験です)
〇〇年〇月 UKBI(インドネシア語能力検定試験) 〇〇(レベル名) 取得
3. 「資格はない」が「スキルはある」場合の書き方
資格を持っていなくても、実務(仕事)で使っていた経験は、資格以上に高く評価されます。
この場合は、「免許・資格」欄ではなく、「自己PR」欄や**「職務経歴書」**で、具体的にアピールします。
採用担当者が知りたいのは、「どのレベルで使えるのか」です。「インドネシア語ができます」とだけ書くのはNGです。
「レベル感」を具体的に示す(例文)
- (レベル:ビジネス)「インドネシア語(ビジネスレベル:現地法人との交渉・通訳、仕様書の翻訳が可能)」
- (レベル:実務)「インドネシア語(実務レベル:Eメールでのコレポン、現地スタッフとの日常会話・指示が可能)」
- (レベル:経験)「インドネシア・〇〇(地名)にて〇年間の在住(留学)経験あり」
4. 「自己PR」欄でのアピール例文
インドネシア語の経験を、あなたの「強み」として「翻訳」する書き方です。
例文1:製造業・商社など(実務経験者)
【自己PR】
私の強みは、**インドネシア語(インドネシア語技能検定B級)を活かした『調整力』です。
前職(〇〇業)では、インドネシアの製造拠点(または取引先)との連絡調整を担当しました。現地スタッフの国民性を理解した上で、丁寧なコミュニケーションを心がけ、生産ラインの進捗管理や品質トラブルの対応を行いました。
この『異文化適応力』**と語学力を活かし、貴社のインドネシア事業に即戦力として貢献します。
例文2:異業種への転職(継続力をアピール)
【自己PR】
私の強みは、困難な目標にも継続して取り組む**『探究心』です。
学生時代に〇〇(きっかけ)からインドネシアの文化に興味を持ち、独学でインドネシア語の学習を開始しました。学習を〇年間継続した結果、〇〇(資格名)を取得しました。
この「主体的に学び続ける姿勢」と「継続力」**は、貴社の〇〇(応募職種)においても、新しい知識の習得や、困難な課題への取り組みの面で必ず役立つと考えます。
5. 現在「勉強中」の場合のアピール方法
「免許・資格」欄は、すでに取得したものを記載する欄です。
もし、現在応募先の業務に関連するインドネシア語の取得に向けて勉強中である場合は、その「熱意」と「学習意欲」をアピールするために、履歴書下部の**「本人希望欄」や「自己PR」欄**を活用します。
(本人希望欄や自己PR欄での例文)
- 「現在、貴社の業務(ASEAN展開)に活かすため、インドネシア語技能検定試験〇級の取得に向け勉強中です。(〇月受験予定)」
6. 結論。インドネシア語は「希少性」と「継続力」の最強の証
採用担当者は、インドネシア語のスキルそのものだけでなく、**「なぜ、その言語を学んだのか(目的意識)」と「どうやって学んだのか(継続力・主体性)」**に、応募者としての人格的な強さを感じ取ります。
応募先の業務と直接関係がなくても、それは「他人と違う、オンリーワンの武器」であり、あなたの「知的好奇心」や「継続力」を証明する、何よりの証拠です。
資格がないからと謙遜(けんそん)せず、ご自身の「レベル感」と「熱意」を具体的に示し、自信を持ってアピールしましょう。





