履歴書は「在中」と書くべき? 封筒の正しい書き方とマナー
転職活動(中途採用)において、履歴書や職務経歴書といった応募書類は、あなたの第一印象を決める重要なものです。書類の中身はもちろんですが、それを入れる「封筒(ふうとう)」の準備や書き方にも、社会人としてのビジネスマナーが表れます。
特に、封筒に記載する**「履歴書在中(りれきしょざいちゅう)」**という一言。
「これは必ず書くべきなのか?」「どう書くのが正しいのか?」と悩む方も多いようです。
ここでは、採用担当者に「丁寧な仕事ができる人だ」という好印象を与えるための、封筒の正しい書き方と「在中」のルールについて詳しく解説します。
1. なぜ封筒に「履歴書在中」と書くのがマナーなのか
まず結論から言いますと、応募書類を郵送する場合、封筒に「履歴書在中」と記載するのは、必須のビジネスマナーです。
その最大の理由は、**採用担当者(受け取り手)への「配慮」**です。
企業には毎日、請求書、DM(ダイレクトメール)、見積書、その他の一般的な郵便物が大量に届きます。
その中で、封筒の表面に「履歴書在中」と目立つように記載しておくことで、
- 一目で「重要な応募書類である」ことが伝わる
- 他の郵便物に紛(まぎ)れるのを防ぐ
- 開封されずに、速やかに採用担当者の手元へ届く
といった効果があります。この「ひと手間」をかけることが、あなたの「丁寧さ」や「入社意欲」を示す、最初のアピールとなるのです。
2. 【最重要】「履歴書在中」の正しい書き方
「履歴書在中」は、ただ書けば良いというわけではありません。ビジネスマナーとして、推奨される「書き方」のルールがあります。
1. 手書きの場合(位置・色・枠)
応募書類の宛名は、手書きで、縦書きにするのが最も丁寧とされています。
- 筆記具:「赤色」の油性ペン(またはボールペン)を使用します。黒で書いても間違いではありませんが、赤色で書くのが「重要書類」を示すビジネス上の慣例であり、最も目立ちます。
- 記載する位置:**縦書き封筒の「表面、左下」**です。
- 囲み枠:「履歴書在中」と縦書きで書いたら、その文字の周りを必ず「定規(じょうぎ)」を使って、まっすぐな四角い枠で囲みます。(※フリーハンドで枠を書くと、かえって雑な印象になるため、必ず定規を使いましょう)
2. 「スタンプ」を使っても良いか?
手書きに自信がない場合、文房具店や100円ショップなどで販売されている「履歴書在中」のスタンプを使用しても、全く問題ありません。
ただし、スタンプを使用する場合は、インクがかすれたり、斜(なな)めになったり、にじんだりしないよう、まっすぐ綺麗に押す必要があります。
3. (補足)横書き封筒の場合
もし、A4サイズ対応の横書き封筒を使用する場合は、「履歴書在中」は**表面の「右下」**に、横書きで記載します。(この場合も、赤ペンで記載し、枠で囲うのが丁寧です)
3. 「在中」を書く以前の「封筒」選びのマナー
「在中」の書き方と合わせて、使用する「封筒」そのものの選び方も、非常に重要です。
NGな封筒:「茶封筒」「小さい封筒」
- 茶封筒(クラフト封筒):NGです。茶封筒は、社内文書や請求書といった「事務的」な用途で使われることが多く、安価で簡易的なイメージがあります。応募書類というフォーマルな文書にはふさわしくありません。
- 小さい封筒(長形3号など):NGです。A4サイズの履歴書を「三つ折り」などにして小さな封筒に入れるのは、アルバイト応募の際のマナーです。転職(中途採用)では、書類に折り目をつけないのが基本です。
OKな封筒:「白」で「A4が折らずに入る」サイズ
転職活動(中途採用)の「正解」は、以下の条件を満たす封筒です。
- 色:「白色」(フォーマルで、清潔感があるため)
- サイズ:A4サイズの応募書類を折らずに入れられる大きさ。具体的には**「角形A4号(かくがたエーよんごう)」または「角形2号(かくがたにごう)」**を選びます。(※書類一式をクリアファイルに入れても余裕がある「角形2号」が、最も一般的で推奨されます)
4. 封筒全体の書き方と、提出までの流れ
「履歴書在中」は、封筒を完成させるための一つのパーツです。
- 宛名書き封筒の表面に、黒色の油性ペン(またはボールペン)で、都道府県名から省略せず、会社名や部署名(〇〇株式会社 人事部 御中)を正確に記載します。
- 「履歴書在中」を記載表面の左下に、上記のルール(赤ペン、縦書き、枠線)に従って記載します。
- 差出人(裏面)の記載封筒の裏面の左下に、ご自身の郵便番号、住所、氏名を正確に記載します。
- 書類の封入応募書類一式((1)送付状、(2)履歴書、(3)職務経歴書、の順番で重ねる)を、**「無色透明のクリアファイル」**に入れ、封筒に入れます。
- 封(ふう)をする液体のりやテープのり(セロハンテープは不可)で、きれいに封をします。最後に、閉じ目(とじめ)に**「〆」**という印(しめ)を黒ペンで記載します。
5. 結論。「在中」の一言は、あなたの「配慮」
履歴書を入れる「封筒」と、そこに書く「履歴書在中」という一言は、採用担当者があなたの「仕事の丁寧さ」や「ビジネスマナーへの理解度」を判断する、最初のポイントです。
「たかが封筒」と手を抜かず、細部まで配慮の行き届いた書類準備をすることが、書類選考を通過するための確実な第一歩となります。





