履歴書の「現職」の書き方。在職中・退職予定日の正しい記載ルール
転職活動(中途採用)において、多くの方が「現職(在職中)」のまま、次のキャリアを探す活動を行います。これは、ご自身のキャリアが継続している証拠として、採用担当者にもポジティブに受け取られることが多くあります。
しかし、履歴書の「職歴」欄に、現在も働いていることをどう書けばよいか、書き方を間違えると「すでに退職している」と誤解されないか、不安に思う方もいるでしょう。
採用担当者に「応募者が今、どのような状況か」を正確に伝えることは、ビジネスマナーとして、また選考をスムーズに進める上で非常に重要です。
ここでは、採用担当者にあなたの状況を正しく伝えるための、「現職」の場合の履歴書の正しい書き方について詳しく解説します。
1. 【基本】「現職」であることを示す決まった書き方
現在もその会社に勤務している(在職中である)ことを示すための決まった書き方(定型句)があります。
それは**「現在に至る(げんざいにいたる)」**という言葉です。
「現在に至る」は、どの行に書くか
職歴欄の最後に、現在勤務している会社の「入社」情報(会社名、入社年月日、配属部署など)を記載します。
その**「次の行」に、「現在に至る」**と左寄せで記載します。
2. 「現在に至る」で終わらない。「以上」を必ずセットで記載する
履歴書の書き方で、在職中の方が最も多く間違える(忘れる)ポイントが、職歴欄の「締めくくり方」です。
「現在に至る」と書いただけで、職歴欄を終えてはいけません。
職歴欄は、どのような場合であっても、必ず**「以上(いじょう)」**という言葉で締めくくるのが、ビジネスマナーとしての正しいルールです。
「以上」は、「私の職歴は、ここで終わりです」という区切りを明確に示すための記号です。
「現在に至る」と「以上」の正しい位置
- 「現在に至る」:最後の職歴の「次の行」に、「左寄せ」で記載します。
- 「以上」: 「現在に至る」の「さらに次の行」に、「右寄せ」で記載します。
3. 【職歴欄 記載例】「現職」の場合の正しい書き方
(学歴)
((学歴を記載))
(職歴)
2015年 4月 株式会社〇〇 入社
(〇〇業務に従事)
2019年 5月 株式会社△△ 入社
営業部に配属(〇〇業務に従事)
現在に至る
以上
(※「以上」は、行の右端に記載します)
4. 【応用編】「現職」だが「退職予定日」が確定している場合
在職中であっても、すでに現在の勤務先に退職の意思を伝えており、「最終出社日」や「正式な退職日」が確定している場合もあるでしょう。
これは、採用担当者にとって**「いつから入社可能か」**が明確になる、非常に重要な情報です。
その場合は、「現在に至る」の横に()書きで、確定した退職予定日を併記するのが、最も親切な書き方です。
職歴欄 記載例(退職予定日が確定している場合)
(職歴)
2019年 5月 株式会社△△ 入社
営業部に配属
現在に至る(2025年12月31日 退職予定)
以上
(※「以上」は、行の右端に記載します)
5. 「現職」の場合、「本人希望欄」で補足すべきこと
「現職」で働いている場合、採用担当者は「いつ連絡すれば良いか」「いつから働けるのか」を気にしています。
履歴書下部にある**「本人希望記入欄」**を活用し、これらの情報を先回りして伝えておくと、相手への配慮が伝わり、非常に丁寧な印象を与えます。
1. 連絡がつきやすい時間帯
在職中は、平日の日中に電話に出られないことが多いため、その旨を伝えます。
(本人希望欄 例文)
「現在在職中のため、平日の日中(9:00〜18:00)は電話に出ることが難しい場合があります。
ご連絡は、平日の12時〜13時、または18時以降、あるいはEメールにていただけますと幸いです。」
2. 入社可能日(退職予定日が未定の場合)
まだ退職交渉をしておらず、「内定が出たら退職を伝える」という段階(=退職予定日が未定)の場合は、入社可能時期の「目安」を記載します。
(本人希望欄 例文)
「現在在職中ですが、内定をいただけた場合、退職交渉を経て〇週間〜〇ヶ月程度(または、〇月〇日以降)の入社が可能です。」
6. 結論。「現職」の記載は、あなたの「今」を伝える重要情報
履歴書における「現在に至る」は、あなたが「在職中」であることを示す重要なキーワードです。
採用担当者にあなたの状況を正しく、かつ誠実に伝えるためにも、
- 「現在に至る」 と 「以上」 をセットで使う
- 退職予定日が決まっていれば、併記する
- 本人希望欄で、連絡可能な時間帯や入社可能日を補足する
この基本ルールを徹底することが、書類選考をスムーズに進め、採用担当者からの信頼を得るための鍵となります。





