履歴書の「業務内容」。どこまで書く? 職務経歴書との違いと正しい書き方
転職活動(中途採用)で履歴書を作成する際、採用担当者に「あなたが何をしてきた人か」を伝えるために、「業務内容」の記載は欠かせません。しかし、「職歴」欄の限られたスペースに、どこまで詳しく書けばよいのか、悩む方は非常に多くいます。
「詳しく書きすぎて、文字が小さくなってしまう」
「簡潔すぎると、何も伝わらないのでは?」
こうした悩みは、履歴書と「職務経歴書」の役割分担を理解することで、すべて解決します。
ここでは、採用担当者にあなたの経歴を正しく、かつ効果的に伝えるための「業務内容」の書き方について、詳しく解説します。
1. 履歴書の「業務内容」は、どこに書くのが正しいか
履歴書において、あなたの「業務内容」を書く場所は、原則として**「職歴」欄**です。
「入社」した会社名や部署名を記載した後、その会社で「具体的にどのような業務に従事していたか」を、簡潔に補足する形で記載します。
2. 【最重要】「履歴書」と「職務経歴書」の役割分担
転職(中途採用)の応募者が最も陥(おちい)りやすい間違いが、履歴書の職歴欄に、業務内容や実績を「全て」書き込もうとすることです。
中途採用の応募書類は、この2つの「役割分担」が絶対のルールです。
- 履歴書 = あなたの「プロフィール」や「索引(インデックス)」採用担当者が、あなたの「概要(いつ、どこで働いていたか)」を把握するための書類です。ここでの「業務内容」は、あくまで**「見出し」や「要約」**にとどめます。
- 職務経歴書 = あなたの「プレゼンテーション資料」履歴書で示した「業務内容」について、「具体的にどのような工夫をし、どのような実績(数字)を上げたのか」を、A4用紙1〜2枚程度で詳細にアピールする書類です。
3. なぜ履歴書に「業務内容」を書きすぎるとNGなのか
「熱意を伝えたいから」と、履歴書の職歴欄に業務内容をびっしり書き込むのは、実は逆効果です。
- 1. 非常に読みにくい限られた枠内に文字を詰め込むと、文字が小さくなり、採用担当者は「読む気」を失ってしまいます。「読み手への配慮が足りない」と判断されます。
- 2. 「要約能力がない」と見なされる与えられたスペース(枠内)で、情報を簡潔にまとめる能力は、ビジネスの基本スキルです。「要点をまとめるのが苦手な人だ」と、マイナスの評価に繋がります。
- 3. 書類全体の役割を理解していない「この人は、履歴書と職務経歴書の違いを理解していないのでは?」と、ビジネスマナーや転職活動への理解度を疑われる可能性もあります。
4. 【例文】履歴書の「職歴」欄。業務内容の正しい書き方
履歴書の職歴欄に書く「業務内容」は、**「誰が読んでも、あなたが何の担当だったか分かる」**程度に、簡潔にまとめるのがコツです。
例文1:役職なし・異動なしの場合
(ポイント)担当業務が一目で分かるように記載します。
2018年 4月 株式会社〇〇 入社
営業部 企画グループに配属
(主に〇〇(商材)のマーケティングおよび販促企画業務に従事)
2024年 10月 一身上の都合により退社
例文2:昇進・役職がある場合
(ポイント)役職名と共に、その役職での「役割」を簡潔に記載します。
2015年 4月 株式会社△△ 入社
営業部に配属
2020年 4月 営業部 主任に昇格
(メンバー〇名の指導、およびチームの進捗管理を担当)
2025年 3月 現在に至る
例文3:異動があった場合
(ポイント)異動した年月と、新しい部署での業務内容を追記します。
2017年 4月 株式会社□□ 入社
経理部に配属(買掛金管理、伝票処理を担当)
2020年 10月 人事部へ異動
(新卒採用のサポート、および給与計算業務に従事)
2024年 11月 一身上の都合により退社
例文4:派遣・契約社員の場合
(ポイント)派遣元・派遣先を明記し、派遣先での業務内容を記載します。
2019年 5月 〇〇派遣株式会社に登録
株式会社◇◇(派遣先) 営業部にて、営業事務に従事
(主な業務内容:受発注管理、請求書発行、電話応対)
2022年 4月 派遣期間満了により退職
5. 「業務内容」から得た「強み」は、自己PR欄へ
履歴書の職歴欄には「事実」を書きましたが、その業務内容を通じて**「得たスキル」や「強み」は、履歴書下部の「自己PR」欄**でアピールします。
(自己PR欄での例文)
「前職(〇〇の業務内容)を通じて培った『課題解決能力』を活かし…」
「〇〇の業務(営業事務)において、常に『正確性』と『スピード』を意識し、〇〇の改善を行いました。この強みは、貴社の〇〇職でも活かせると考えます。」
6. 結論。履歴書の業務内容は「見出し」。詳細は職務経歴書で
履歴書の「業務内容」の書き方で迷ったら、「これは、職務経歴書で詳しく書くべき内容ではないか?」と自問自答してみましょう。
履歴書には、「私はこういう業務の担当者でした」という**「概要(見出し)」**を簡潔に書く。
そして、採用担当者に「この人の経験、もっと詳しく知りたい」と思わせ、職務経歴書へと誘導する。
この「役割分担」こそが、書類選考を通過するための鍵となります。





