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転職活動(中途採用)において、履歴書に貼付する証明写真は、あなたの「第一印象」を採用担当者に伝える、非常に重要な要素です。文字情報だけでは伝わらない「人柄」や「清潔感」、「ビジネスパーソンとしての常識」が、この一枚の写真から判断されます。
「たかが写真、中身で勝負」と思うかもしれませんが、その「写真」が基本的なマナーから外れた「NG写真」であった場合、採用担当者は中身(職務経歴)を読む前に、あなたに「準備不足」「常識がない」というマイナスのレッテルを貼ってしまう可能性があります。
ここでは、あなたの評価を致命的に下げてしまう「履歴書のNG写真」の具体例と、そうならないための正しい対処法を詳しく解説します。
1. 【NGレベル:致命的】写真そのもの(質・背景)がNG
これらは、社会人としての「常識」を疑われる、最も避けるべきNG例です。
NG例1:スナップ写真や「自撮り(セルフィー)」の切り抜き
- なぜNGか:履歴書は「公的な応募書類」です。友人と撮った写真や、スマートフォンの自撮り写真を切り抜いて使用するのは、TPO(時・場所・場合)を全くわきまえていない行為です。「入社意欲が低い」「ふざけている」と判断され、その時点で選考対象から外される可能性が非常に高いです。
- OKな対応:必ず「証明写真」として撮影された写真を使います。
NG例2:背景が不適切(風景、散らかった部屋など)
- なぜNGか:スナップ写真の切り抜きと同様に、フォーマルな場にふさわしくありません。背景に情報が多すぎると、応募者本人(あなた)の印象が散漫になります。
- OKな対応:背景は必ず「無地(むじ)」を選びます。色は「白」「青(水色)」「グレー」のいずれかが、清潔感があり一般的です。
NG例3:古い写真(現在の印象と違う)
- なぜNGか:履歴書の写真は「本人確認」の意味も持ちます。数年前に撮影した写真(例:髪型や体型が今と大きく違う)を使用すると、面接時に「写真と印象が違う」と、本人確認に手間取らせたり、不誠実な印象を与えたりします。
- OKな対応:必ず「3ヶ月以内」(長くても6ヶ月以内)に撮影した、現在の姿と相違ない写真を使用します。
NG例4:プリクラ、アプリで過度に加工した写真
- なぜNGか:論外です。これらは「証明写真」ではありません。
2. 【NGレベル:高】服装・身だしなみがNG
次に、あなたの「清潔感」や「TPO」が問われるポイントです。
NG例1:スーツ・ジャケットではない(私服、Tシャツ、パーカーなど)
- なぜNGか:転職活動はフォーマルな場です。応募先の社風がどれほど自由(私服勤務)であったとしても、応募書類という「第一印象」の場では、ビジネスの正装である「スーツ(ジャケット着用)」が必須のマナーです。
- OKな対応:必ず、黒、ネイビー(濃紺)、グレーなどの落ち着いた色のスーツと、白のワイシャツ(またはブラウス)を着用します。
NG例2:ネクタイなし、または派手すぎるネクタイ
- なぜNGか:男性の場合、スーツ着用でも「ネクタイなし」(シャツの第一ボタンを開けている)スタイルは、だらしない印象や、TPOをわきまえていないと見なされるリスクがあります。また、派手な色(原色、蛍光色)や柄(ブランドロゴ、キャラクター)のネクタイも、履歴書写真には不向きです。
- OKな対応:必ずネクタイを締めます。色は「青(ネイビー)系」(誠実・知的)、「赤(エンジ)系」(情熱・積極性)、「グレー系」(落ち着き・協調性)などが定番です。
NG例3:髪型が整っていない(寝癖、派手な髪色、顔にかかる前髪)
- なぜNGか:「清潔感」が最も表れる部分です。寝癖(ねぐせ)や、明るすぎる髪色(金髪など)、そして**「目や眉が隠れる」ような長い前髪**は、表情が伝わらず「暗い」「不潔」といった印象を与えます。
- OKな対応:男性は短く整え、おでこを出すと明るく見えます。女性のロングヘアは、後ろで一つに結ぶのが基本です。前髪は、目や眉にかからないよう、斜めに流してピンやスプレーで固定します。
3. 【NGレベル:中】表情・写り方がNG
あなたの「人柄」や「意欲」が判断される部分です。
NG例1:無表情(真顔)すぎる
- なぜNGか:緊張のあまり「真顔(無表情)」で撮影してしまうと、採用担当者からは「暗い」「覇気(はき)がない」「怒っている」「怖そう」といった、ネガティブな印象に見えてしまいます。
- OKな対応:**「歯は見せずに、口角(こうかく)を少しだけ上げた、穏やかな微笑み(ほほえみ)」**が最適解です。
NG例2:歯が見えるほどの「笑顔(大笑い)」
- なぜNGか:「穏やかな微笑み」とは異なり、歯を見せて笑っている「大笑い」は、TPOをわきまえない「不真面目」な印象を与えます。
- OKな対応:口はしっかりと閉じ、口角をわずかに引き上げる程度にとどめます。
NG例3:顔の角度が正面ではない
- なぜNGか:アゴが上がりすぎていると「偉そう」に、引きすぎると「睨(にら)んでいる」ように見えます。また、斜めを向いたり、上目遣いになったりしている写真は、証明写真として不適切です。
- OKな対応:アゴを軽く引き、カメラのレンズをまっすぐに見据えます。
4. 結論。「OKな写真」とは?
これらのNG例をすべて避けた「転職(中途採用)におけるOKな写真」とは、以下の条件を満たすものです。
- 3ヶ月以内に撮影
- スーツ(ジャケット)着用、ネクタイ着用(男性)
- 清潔感のある髪型(目や眉が隠れていない)
- 背景は「白」「青」「グレー」のいずれかの無地
- 表情は「歯を見せない、穏やかな微笑み」
- 「写真スタジオ」または「証明写真機」で撮影
履歴書の写真は、あなたの「ビジネスパーソンとしての信頼性」を伝えるための、非常に重要なツールです。「たかが写真」と手を抜かず、完璧な一枚を準備することが、書類選考を通過するための第一歩となります。
ABOUT ME
人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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