履歴書の「私の特徴」欄。強みに変える書き方とアピール例文
転職活動で履歴書を作成する際、様式(フォーマット)によっては「私の特徴」や「性格」「長所・短所」といった、応募者の人柄を問う項目があります。
「職歴やスキルは書けるけれど、自分の特徴と言われても何を書けばいいか分からない」
「正直に書きすぎて、マイナス評価にならないか不安だ」
このように、書き方に悩む方は少なくありません。
採用担当者は、この「私の特徴」欄から、あなたの「人柄」や「仕事への取り組み姿勢」が、**自社の社風やチームに合うか(適合性)**を見ています。
ここでは、あなたの「特徴」を、転職(中D途採用)で評価される「強み」としてアピールするための、正しい書き方を詳しく解説します。
1. 「私の特徴」と「長所」「自己PR」の違い
まず、言葉の定義を整理すると、書きやすくなります。
- 特徴あなたの「基本的な人柄」や「性格的な特性」を指します。(例:「慎重である」「好奇心が強い」「負けず嫌い」)
- 長所その「特徴」が、ビジネスや社会生活において「良い結果をもたらす強み」として発揮される状態を指します。(例:「慎重である」→「ミスが少なく、正確な作業ができる」)
- 自己PRその「長所」を、前職での「具体的なエピソード(実績)」で裏付け、「入社後にどう企業に貢献できるか」を売り込む(PRする)場所です。
履歴書に「私の特徴」欄がある場合、採用担当者が知りたいのは、単なる性格診断ではなく、**「あなたのその特徴(性格)が、仕事においてどう活きるのか(=長所)」**という点です。
2. 採用担当者が「特徴」から知りたいこと
企業は、完璧な人間を探しているのではありません。あえて「特徴」を質問するのには、主に2つの意図があります。
1. 社風との適合性(マッチ度)
例えば、「スピード感と変化」を重視する企業に、「私の特徴は、一つのことをじっくりマイペースに進める点です」とだけアピールしても、ミスマッチと判断されるかもしれません。あなたの「特徴」が、その職場で活かせるかを判断しています。
2. 客観的な自己分析ができているか
ご自身の「特徴(強みや弱み)」を、客観的に把握し、それを言語化できるかを見ています。ビジネスにおいて、ご自身の特性を理解していることは、チームで働く上で重要なスキルです。
3. 「特徴」を「ビジネス上の強み」に翻訳する技術
「私の特徴」欄で、単に「明るい性格です」「真面目です」と記載するだけでは、アピールとして不十分です。
採用担当者が知りたいのは、その「特徴」が、入社後に「どのように仕事に活かされるのか」という点です。
ご自身の性格的な特性を、「ビジネススキル」や「スタンス(姿勢)」に翻訳する作業が重要です。
- (例)特徴:「心配性だ」→ (翻訳) → 「慎重で、準備を怠らず、確認作業を徹底できる」
- (例)特徴:「頑固だ」→ (翻訳) → 「意志が強く、目標達成まで諦めずにやり遂げる粘り強さがある」
- (例)特徴:「おせっかいだ」→ (翻訳) → 「周囲の状況をよく見ており、困っている人をサポートする協調性がある」
4. 履歴書における「私の特徴」の書き方(例文)
「私の特徴」欄(あるいは「長所」欄)に記載する場合、以下の3ステップで構成すると、論理的で説得力が増します。
- 結論(特徴・強み):まず、あなたの「特徴(強み)」が何かを端的に述べます。
- 根拠(簡潔なエピソード):その特徴が発揮された、仕事上の簡潔なエピソードを示します。
- 貢献(仕事への活かし方):その特徴を、入社後にどう活かしていくかを述べます。
例文1:「慎重さ・正確性」をアピールする場合
【私の特徴】
私の特徴は、物事を慎重に進める点です。
前職の事務作業では、提出前のダブルチェックを徹底し、3年間「月次報告書のミスゼロ」を継続しました。この慎重さと正確性を活かし、貴社の〇〇業務においても、ミスのない丁寧な仕事で貢献します。
例文2:「協調性・サポート力」をアピールする場合
【私の特徴】
私の特徴は、常に周囲の状況を見て、主体的にサポートに動ける点です。
前職(販売職)では、特定のスタッフに業務が集中している際、率先してフォローに入るよう心がけていました。貴社においても、この協調性を活かし、チーム全体の業務が円滑に進むよう貢献したいと考えます。
例文3:「忍耐力・継続力」をアピールする場合
【私の特徴】
私の特徴は、目標達成まで粘り強く取り組む忍耐力です。
現職では〇〇(資格)の取得が業務上必要となり、毎日2時間の学習を1年間継続し、合格しました。この粘り強さを活かし、貴社の〇〇業務においても、困難な課題にも諦めず取り組んでいきます。
5. 「私の特徴」欄のNGな書き方
- 抽象的すぎる(NG例):「明るい性格です。」「真面目なところが特徴です。」→ これだけでは、仕事でどう活きるのかが全く伝わりません。必ず「具体的なエピソード」や「貢献」をセットにします。
- 仕事に全く関係ない(NG例):「私の特徴は、〇〇(ゲーム名)がうまいことです。」→ 趣味・特技欄ならまだしも、「特徴」としてアピールするには不向きです。
- 「特になし」→ 最も避けるべき回答です。自己分析ができていない、アピール意欲が低いと見なされます。
6. 結論。「特徴」は、あなたの人柄が「仕事でどう活きるか」を伝える場
履歴書の「私の特徴」欄は、あなたの「人柄」が、応募先の「社風」や「職務」といかにマッチしているかをアピールする絶好の機会です。
単なる性格を述べるのではなく、「仕事でどう役立つか」という視点を常に持ち、具体的な言葉であなたの「強み」として伝えましょう。





