履歴書の「持っていき方」。A4封筒・クリアファイルが必須な理由と当日のマナー
転職活動において、面接会場に履歴書を持参するよう指示されるケースは多くあります。この時、採用担当者は履歴書の「中身」だけでなく、あなたがそれを「どのように持ってきたか」という「持っていき方」も、ビジネスマナーとしてチェックしています。
「カバンにそのまま入れても良い?」
「クリアファイルだけでダメ?」
「封筒は必要?」
こうした疑問は、あなたの第一印象を左右する重要なポイントです。ここでは、採用担当者に「丁寧な仕事をする人だ」という好印象を与える、履歴書の正しい「持っていき方」について詳しく解説します。
1. 履歴書の「持っていき方」。何に入れるのが正解か
まず結論から言いますと、履歴書(および職務経歴書)は、**「①無色透明のクリアファイル」に入れ、それをさらに「②A4サイズが折らずに入る封筒」**に入れて持っていくのが、唯一の正しいマナーです。
やってはいけない「持っていき方」
- カバンにそのまま(裸で)入れる→ 論外です。書類が折れたり汚れたりする以前に、ビジネスマナーを全く理解していないと判断されます。
- クリアファイルだけで持っていく→ 惜しいです。クリアファイルは必須ですが、それ自体がカバンの中で折れたり、他の荷物で汚れたりするリスクがあります。不十分です。
2. なぜ「封筒」に入れて持っていくのが必須なのか
「どうせ面接で手渡しするのに、なぜ封筒が必要なの?」と疑問に思うかもしれません。封筒には、以下の2つの重要な役割があります。
1. 書類の「保護」(物理的な理由)
これが最大の理由です。応募書類は、あなた自身を伝える大切な公的書類です。
カバン(バッグ)の中で、書類の角が折れたり、他の持ち物(濡れた折り畳み傘、ペットボトルなど)で汚れたり、不意の雨で濡れたりするリスクがあります。
封筒は、そうした不測の事態から書類を守り、**きれいな状態のまま相手に届けるための「外装(鎧)」**としての役割を果たします。
2. 丁寧さのアピール(マナー的な理由)
大切な書類を、クリアファイルに入れ、さらに封筒で保護して持参する。その「ひと手間」こそが、「この人は書類(仕事)を丁寧に扱える人だ」「相手への配慮ができる人だ」という、あなたの信頼性を伝えるメッセージとなります。
3. 持っていく「封筒」と「クリアファイル」の選び方
持っていくために準備する封筒やファイルにも、選び方のマナーがあります。
- 封筒のサイズ応募書類(A4が標準)を**折らずに入れられる「角形A4号」または「角形2号」**を選びます。(A4のクリアファイルごと入れても余裕がある「角形2号」が最も一般的です)
- 封筒の色事務的な「茶封筒」は避け、フォーマルな場にふさわしい**「白色」**の封筒を選びましょう。
- クリアファイル**「無色透明」**のものが基本です。色付きや柄物、使い古してシワだらけのファイルは、清潔感がなくNGです。できれば「新品」を準備しましょう。
4. 正しい「入れ方」と「向き」
「持っていき方」のマナーは、封筒に入れる瞬間から始まっています。
ステップ1:書類を重ねる順番
面接での手渡しの場合、ご自身が口頭で挨拶するため、「送付状(添え状)」は不要です。
採用担当者がすぐに「本人確認」と「経歴」を見られるよう、以下の順番で重ねます。
- 履歴書(一番上)
- 職務経歴書
- (その他、推薦状などの書類)
ステップ2:クリアファイルに入れる
重ねた書類を、クリアファイルに入れます。
向き:採用担当者が、ファイルから取り出さずに、そのまま1ページ目(履歴書の顔写真)を読み始められる向き(書類の表面を上、書類の頭をクリアファイルの入り口側)にします。
ステップ3:封筒に入れる
クリアファイルに入れた書類一式を、封筒に入れます。
向き:採用担当者が、封筒から取り出した時に、すぐに読める向きにしておくのが配慮です。
**「封筒の表面(宛名を書かない側)」と「書類の表面(履歴書の顔写真側)」**が、向き合う(重なる)ように、そっと封筒に入れます。
5. 「持っていく」封筒の準備(郵送との違い)
面接に持っていく封筒は、郵送とは準備の仕方が決定的に異なります。
- 宛名書きは「不要」郵送ではないため、封筒の表面に、応募先の会社名や担当者名を記載する必要はありません。
- 封(のり付け)は「絶対にしない」採用担当者がその場ですぐに取り出せるようにしておく必要があるため、のり付けやテープ留め、封かんシールなどは一切不要です。
- 裏面の差出人(自分の名前)必須ではありませんが、万が一の場合(社内で紛失など)に備え、裏面にご自身の住所・氏名を書いておくと、より丁寧な印象にはなります。
6. 当日の「持っていき方」(カバンからの出し入れ)
面接当日は、カバン(ビジネスバッグ)の中で、他の荷物と履歴書の入った封筒が混ざらないよう、仕切りのある場所に入れるなど、**「すぐにスマートに取り出せる」**ようにしておくことも、持っていき方のマナーの一つです。
受付で預ける場合は「封筒ごと」、面接官に直接渡す場合は「封筒からクリアファイルごと取り出して」、相手が読みやすい向きで両手で差し出します。
7. 結論。「持っていき方」は、あなたの「仕事の丁寧さ」
履歴書の内容が最も重要であることは言うまでもありません。しかし、面接という対面の場において、その書類をどのような状態で持ってきたかという「持っていき方」のプロセスも、あなたの「仕事の丁寧さ」や「他者への配慮」を伝える重要なメッセージとなります。
「A4・白封筒・クリアファイル」を正しく準備し、当日のスマートな受け渡しをシミュレーションしておくことが、あなたの信頼性を高めることに繋がります。





