履歴書写真の「メイク」。好印象を与える基本と転職(中途採用)のマナー
履歴書に貼付する証明写真は、あなたの「第一印象」を採用担当者に伝える、非常に重要な要素です。服装や髪型だけでなく、顔の印象を決定づける「メイク(化粧)」も、採用担当者は無意識のうちにチェックしています。
「履歴書の写真だと、メイクはどの程度の濃さが適切なの?」
「ノーメイク(すっぴん)はマナー違反?」
「派手なメイクは不利になる?」
こうした疑問は当然です。採用担当者は、写真のメイクから、あなたの「清潔感」「健康状態」「人柄(明るさ)」、そして「社会人としてのTPOをわきまえる常識」などを読み取ろうとしています。
ここでは、転職(中途採用)の書類選考を通過するための、履歴書写真における正しいメイクの基本とマナーについて詳しく解説します。
1. 履歴書写真で「NG」となるメイク
まず、履歴書という「公的な応募書類」において、避けるべきメイクのNG例を知っておきましょう。
NG例1:ノーメイク(すっぴん)
これが最もやってはいけないNG例の一つです。ご自身では「自然体」のつもりでも、採用担当者から見ると、
- 顔色が悪く、不健康そうに見える
- 覇気(はき)がなく、意欲が低いように見える
- 「身だしなみ」を整えていない
- TPOをわきまえていない、準備不足
といった、致命的なマイナスイメージを与えかねません。履歴書写真におけるメイクは、「おしゃれ」ではなく、社会人としての「身だしなみ」であり、最低限のマナーです。
NG例2:派手すぎるメイク(濃すぎるメイク)
ノーメイクの逆で、TPOをわきまえない「派手すぎるメイク」もNGです。
- トレンドの追いすぎ(例:ラメ感が強すぎるアイシャドウ、カラーマスカラ、派手なカラーコンタクトレンズ、束感の強すぎるまつ毛)
- 濃すぎる色使い(例:真っ赤すぎるリップ、濃すぎるチーク、太すぎる跳ね上げアイライン)
- 厚塗りのベースメイク(例:不自然な白さ、ファンデーションの厚塗り)
これらは、履歴書というフォーマルな場にはふさわしくなく、「協調性がないのでは」「華美な印象が強すぎる」と、ビジネスシーンでの適性を疑われる原因となります。
2. 転職(中途採用)で目指すべきメイクの「基本方針」
履歴書写真で採用担当者に好印象を与えるメイクのキーワードは、**「清潔感」「健康的」「知的さ(品格)」**の3つです。
あくまで「ビジネスメイク」の延長線上にあることを忘れてはいけません。
ただし、証明写真の撮影では、強いフラッシュ(ストロボ)の光によって、普段のメイクの色が飛んで(薄く映って)しまいがちです。
そのため、「普段のオフィスメイク」と全く同じだと、写真になったときに「ノーメイク」に近い、覇気のない顔に映ってしまう危険性があります。
ポイントは、**「普段のオフィスメイクより、全体的に少しだけ丁寧(しっかりめ)に、色を乗せる」**ことを意識することです。
3. 【パーツ別】好印象を与える履歴書メイクの「書き方(やり方)」
各パーツごとに、清潔感と健康的な印象を与えるメイクのコツを紹介します。
ベースメイク(肌):清潔感の「土台」
肌のコンディションは「清潔感」と「自己管理能力」に直結します。
- クマやシミ、ニキビ跡、小鼻の赤みなどは、コンシーラーを使って丁寧にカバーします。
- ファンデーションは、ご自身の肌色に合ったものを選び、「厚塗り」は絶対に避けます。ナチュラルなツヤ肌、またはセミマットな質感で、均一な肌色に整えるのが基本です。
アイブロウ(眉):「意志」と「知的さ」を伝える
眉は、顔の「額縁(がくぶち)」であり、意志の強さや知的さを伝える重要なパーツです。
- 流行の「細すぎる眉」や「太すぎる平行眉」、角度が急すぎる「上がり眉」は避けます。
- ご自身の骨格に合わせた、なだらかなアーチ(または自然な角度の眉)を、アイブロウペンシルやパウダーで丁寧に描きます。髪色と近い、自然なブラウン系が最適です。
アイメイク(目元):「表情(意欲)」を伝える
前髪で隠さず、目元をはっきり見せることが前提です。
- アイシャドウ:色は、ブラウン系、ベージュ系、コーラルオレンジ系など、肌なじみの良い「ナチュラルカラー」が鉄則です。派手なラメやパールは避け、上品なツヤ感のあるものを選びます。
- アイライン:まつ毛の隙間を埋める程度に、細く引きます。太すぎるラインや、目尻から長くはみ出す「跳ね上げライン」は、履歴書写真には不向きです。
- マスカラ:ダマにならないよう丁寧に一度塗り(または二度塗り)し、まつ毛をセパレートさせます。「つけまつ毛」や「まつ毛エクステ(あまりに長すぎる・濃すぎるもの)」は避けましょう。
チーク(頬):「健康状態(血色)」を伝える
チークは、顔色を「健康的」に見せるために非常に重要です。(写真では色が飛びやすいため、普段より少しだけ意識して入れます)
- 色:コーラルピンクやベージュオレンジなど、肌なじみの良い健康的な色を選びます。
- 入れ方:濃く入れすぎたり、丸く入れたりするのはNGです。頬骨に沿って、斜め(または横)にふんわりと入れ、自然な血色感をプラスします。
リップ(唇):「品格」と「明るさ」を伝える
口元は、表情の明るさや品格を左右します。
- 色:ベージュピンク、コーラル系、落ち着いた赤など、顔色を明るく見せる肌なじみの良い色を選びます。
- NGな色:顔色が悪く見えるヌードすぎるベージュや、派手すぎる真っ赤・ボルドー、青みの強すぎるピンクなどは避けます。
- 質感:グロスなどで「テカテカ」にしすぎるのはNGです。適度なツヤ感(サテンやセミマット)のある口紅を選び、リップライナーで輪郭を整えると、より「きちんと感」が出ます。
4. 履歴書写真と「Web面接」のメイクは違うか?
基本の方針(清潔感・健康的なビジネスメイク)は全く同じです。
ただし、Web面接(オンライン面接)は、パソコンやスマホのカメラの画質、部屋の照明によって、証明写真以上に「顔色が悪く、暗く」映りがちです。
そのため、Web面接の際は、履歴書写真の時よりも、**チークやリップを「少しだけ濃いめ(はっきりめ)」**に入れると、画面越しでも健康的な表情が伝わりやすくなります。
5. 結論。メイクは「TPOをわきまえる配慮」の証
転職活動における履歴書のメイクは、「おしゃれ」や「自己表現」の場ではありません。
それは、採用担当者に対し、**「私は、TPO(時・場所・場合)をわきまえた身だしなみができる、信頼できるビジネスパーソンです」**と伝えるための「配慮」であり「マナー」です。
「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえるような、「清潔感」と「健康的」な表情を演出し、書類選考の通過を目指しましょう。





