ハローワークの履歴書はダウンロードできる? その特徴と転職活動での正しい使い方
転職活動の準備を始める際、まず必要になるのが履歴書です。この履歴書は、どこで入手すれば良いのでしょうか。
「ハローワーク(公共職業安定所)」では、求職活動のサポートの一環として、履歴書の様式(テンプレート)を提供しています。
ここでは、「ハローワークの履歴書」をインターネットで「ダウンロード」する方法、そのフォーマットの特徴、そして一般の転職活動で使えるのか、といった疑問について詳しく解説します。
1. ハローワークの履歴書はネットでダウンロード可能
結論から言いますと、ハローワーク(または、その管轄である厚生労働省)が推奨する履歴書の様式(テンプレート)は、インターネット上から誰でも無料でダウンロードすることが可能です。
ハローワークのインターネットサービスや、厚生労働省のウェブサイトでは、求職者が利用しやすいように、履歴書のテンプレート(ExcelやPDF形式)が公開されています。
2. ハローワーク(厚生労働省)様式。その「特徴」とは?
ハローワークなどで現在推奨されている履歴書フォーマットは、従来の「JIS規格(日本産業規格)」の様式とは少し異なる、新しい特徴があります。
これは、応募者の能力や適性とは関係のない情報によって採用選考が左右されることを防ぐ、「公正な採用選考」という国の指針に基づいています。
特徴1:性別欄が「任意記載」または「欄自体がない」
新しい様式では、性別欄が「任意記載」となっているか、あるいは項目自体が設けられていないものがあります。
特徴2:扶養家族欄・配偶者欄などがない
従来の履歴書にはあった「扶養家族の人数」や「配偶者の有無」といった欄も、応募者の職務能力とは直接関係がないため、削除されている様式が多いです。
特徴3:JIS規格の廃止
長らく「履歴書の標準」とされてきたJIS規格の様式ですが、2020年にその規格は廃止されました。これをもって直ちにJIS規格の履歴書が使えなくなったわけではありませんが、国としては、上記のような公正な選考に配慮した新しい様式(厚生労働省推奨様式)の利用を促している流れがあります。
3. ハローワークの履歴書は、一般の転職活動で使っても良いか?
これが最も気になる点かもしれませんが、全く問題ありません。
「ハローワークでダウンロードした履歴書だから、ハローワーク経由の応募でしか使えない」ということは、一切ありません。
転職サイト経由の応募であれ、企業の採用ページへの直接応募であれ、あらゆる転職シーンで、ハローワーク(厚生労働省)の履歴書テンプレートを使用することができます。
むしろ、応募者のプライバシーに配慮した合理的なフォーマットとして、現代の転職活動に適した様式の一つと言えます。
4. ダウンロードした履歴書の正しい使い方
ダウンロードした履歴書テンプレートの主な使い方は、以下の二通りです。
1. パソコン(PC)で作成する場合
Excel(エクセル)形式のテンプレートをダウンロードし、そのままパソコンで入力・作成するのが、最も効率的で推奨される方法です。
パソコン作成は、修正が容易で、誰にとっても読みやすく、基本的なPCスキル(文書作成能力)のアピールにも繋がります。
(※提出時は、後述するマナーを守る必要があります)
2. 手書きで作成する場合
PDF形式のテンプレートをダウンロードし、ご自宅やコンビニエンスストアのネットプリントなどで「A4サイズ」に印刷します。その印刷した用紙に、手書きで記入します。
5. 【重要】ダウンロードした履歴書を「提出」する際のマナー
ハローワークのテンプレートをパソコンで作成(入力)した場合、それを「ネット提出(メール添付など)」する際には、絶対に守るべきマナーがあります。
提出は必ず「PDF形式」に変換する
作成した履歴書は、Excelファイルのまま(.xlsx)送付してはいけません。
採用担当者のPC環境によっては、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりするリスクがあります。
必ず、**「PDF形式」**に変換(エクスポート、またはPDFとして保存)してから提出します。PDFは、どのような環境でも作成時のレイアウトのまま表示できる、ビジネス文書の標準形式です。
ファイル名にも配慮する
PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では不親切です。
「履歴書(氏名)_20251107.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」
このように、「何の書類か」「誰の書類か」が一目で分かるファイル名に変更することが、社会人としての配慮です。
結論。フォーマットの出所ではなく「中身」が重要
履歴書のテンプレートを、ハローワークでダウンロードしようと、市販のものを購入しようと、あるいは転職サイトでダウンロードしようと、その「入手方法」が選考で不利になることは一切ありません。
採用担当者が重視しているのは、そのフォーマットではなく、そこに書かれているあなたの「職務経歴」「スキル」、そして「志望動機」という**「中身」**です。
ハローワーク(厚生労働省)が提供する履歴書は、無料で入手でき、かつ現代の採用基準にも合った、合理的で使いやすい選択肢の一つです。自信を持って活用し、その「中身」を充実させることに全力を注ぎましょう。





