履歴書の「入力」完全ガイド。PC・スマホ作成の基本ルールと注意点
転職活動と履歴書の「入力」
転職活動において、「履歴書入力」という言葉は、主にパソコン(PC)やスマートフォン(スマホ)を使って応募書類を作成することを指します。
かつては手書きが主流でしたが、現代の中途採用(転職)では、応募書類をデータでやり取りすることが一般的となり、パソコンなどでの「入力」がスタンダードになっています。
手書きと違い、入力は修正が簡単で効率的ですが、その「入力の仕方」には社会人としてのマナーや注意力が表れます。採用担当者は、入力された内容だけでなく、その「正確さ」や「体裁」も見て、あなたの仕事の丁寧さを評価しています。
ここでは、転職の書類選考を通過するための、正しい履歴書の「入力」方法とその基本ルールについて解説します。
なぜ「手書き」より「入力」が推奨されるのか
中途採用において、企業から「手書き指定」がない限り、パソコンでの入力・作成が推奨されます。その理由は、採用担当者と応募者の双方にメリットがあるからです。
- 読みやすさ(採用担当者のメリット)誰が読んでも判読しやすい活字は、採用担当者のストレスを減らし、内容が正確に伝わります。
- 効率性と修正の容易さ(応募者のメリット)一度データを作成すれば、応募先ごとに志望動機などを修正するだけで、効率的に応募活動を進められます。手書きのように、一文字間違えただけで最初から書き直す必要がありません。
- PCスキルのアピールWordやExcelで体裁の整ったビジネス文書を作成できること自体が、基本的なPCスキルを持っていることの証明にもなります。
何で入力するか? PCとスマホの選び方
入力する「道具」は、主にパソコンとスマートフォンがあります。
- パソコン(推奨)Word(ワード)やExcel(エクセル)のテンプレート(雛形)を使って入力するのが最も一般的です。画面が大きいため、全体のレイアウトを確認しやすく、誤字脱字や表記の統一といった細かなミスにも気付きやすいのが利点です。
- スマートフォン(注意が必要)履歴書作成アプリや、Webサービスを利用して入力します。隙間時間で作成できる手軽さがありますが、画面が小さいために「予測変換ミス」や「誤字脱字」を見落としやすいという大きなデメリットがあります。
見落とし厳禁! 履歴書入力の「基本ルール」
履歴書のテンプレートに入力する際、必ず守るべきビジネスマナーとしての「ルール」があります。
1. フォント(書体)と文字サイズ
- フォントビジネス文書として最も一般的な**「明朝体(MS明朝など)」**を使用します。
- 文字サイズ小さすぎても大きすぎても読みにくくなります。一般的に、本文は**「10.5pt〜11pt」**程度が読みやすいとされています。氏名など、大きな枠の部分は少し大きめに設定し、全体のバランスを調整します。
2. 数字の入力(半角・全角の統一)
これが意外と見落とされるポイントです。
日付、電話番号、郵便番号、年齢、通勤時間、資格の点数など、履歴書内の数字は、原則として「半角英数字」(例:1990年4月1日、090-XXXX-XXXX)で統一するのが、横書きビジネス文書の基本マナーです。
(※住所の「一丁目一番地」などを漢数字で書く場合は全角で問題ありません)
3. 年号の統一(西暦・和暦)
履歴書全体で、年号の表記は**「西暦(例:2025年)」か「和暦(例:令和7年)」のどちらか一方に、必ず統一します。**
(例:生年月日は和暦、職歴は西暦、といった混在はNGです)
職務経歴書とも合わせる必要があり、現代のビジネス文書としては「西暦」での統一をお勧めします。
4. 正式名称での入力
会社名(「(株)」ではなく「株式会社〇〇」)、学校名(「〇〇高校」ではなく「〇〇県立〇〇高等学校」)、免許・資格(「英検」ではなく「実用英語技能検定」)など、全ての項目は略さず、正式名称で正しく入力します。
履歴書入力で「やりがちなミス」と注意点
入力が簡単な分、手書きよりも「見直し」が甘くなりがちです。以下のミスは、あなたの評価を大きく下げる原因となります。
1. 致命的な「誤字脱字」
入力ミスによる誤字脱字は、それだけで「注意力が不足している」「仕事が雑だ」という印象を与えます。
2. スマホ入力で多発。「予測変換ミス」
最も危険なのが、応募先の「会社名」や「担当者名」、「専門用語」などを、予測変換で間違ったまま入力してしまうことです。志望度を疑われる、最も失礼なミスの一つです。
3. 指示を守らない(ふりがな vs フリガナ)
氏名欄の上にある指示が「ふりがな」と平仮名であれば**「ひらがな」で入力し、「フリガナ」と片仮名であれば「カタカナ」**で入力します。この単純な指示を守れないと、評価は下がります。
4. 「空欄」のまま放置する
入力することがない項目(例:賞罰、資格など)を、空欄のままにしてはいけません。
「記入漏れ」なのか「書くことがない」のか、採用担当者が判断に迷います。書くことがない場合は、「特になし」(賞罰欄は「なし」)と必ず入力します。
入力が終わったら「PDF」に。提出時の最終マナー
履歴書の入力が完了しても、WordやExcelのファイル(.docx や .xlsx)のまま、企業に送付するのはマナー違反です。
提出は必ず「PDF形式」に変換する
WordやExcelのファイルは、閲覧する相手の環境(OSやソフトのバージョンの違い)によって、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりするリスクがあります。また、第三者による編集(改ざん)が容易である点も問題です。
必ず、**「PDF形式」に変換(エクスポート、またはPDFとして保存)**してから提出します。PDFは、どのような環境でも作成時のレイアウトのまま閲覧でき、編集も困難なため、応募書類の提出形式として必須のマナーです。
ファイル名も「入力」の一部
PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」では、採用担当者が管理に困ってしまいます。
「履歴書(氏名)_20251106.pdf」「履歴書_山田太郎.pdf」
このように、**「何の書類か」「誰の書類か」**が一目で分かるファイル名に「入力(名前の変更)」することが、最後の配慮です。
結論。「入力」作業は、あなたの「仕事の丁寧さ」そのもの
履歴書の「入力」は、単なるタイピング作業ではありません。
一つ一つの項目を、ビジネスマナー(ルール)に従って正確に入力し、読みやすい体裁を整え、ミスがないかを徹底的に確認する。その「丁寧な作業」のプロセスこそが、採用担当者に「この人は信頼できる仕事をしてくれる」と感じさせる、最初のアピールとなります。





