履歴書の「名前」。ふりがな・旧姓、転職者が間違うNG例と正しい書き方
履歴書で「名前」欄が重要な理由
履歴書は、応募先企業に提出する公的な応募書類です。その中で「名前(氏名)」欄は、採用担当者が一番最初に目にする、あなた自身を特定するための最も重要な情報です。
「たかが名前」と思うかもしれませんが、この基本的な項目を雑に書いたり、ルールを間違えたりすると、「注意力が不足している」「ビジネスマナーを理解していない」といった、致命的なマイナスイメージを与えかねません。
転職活動(中途採用)では、あなたの経験やスキルと同じくらい、「仕事の丁寧さ」や「信頼性」も見られています。名前欄を正確に書くことは、その第一歩です。
氏名欄の基本的な書き方
氏名欄には、あなたの「戸籍上の氏名(フルネーム)」を正確に記載します。
- 手書きの場合黒色のボールペン(消せるタイプは不可)を使い、楷書(かいしょ)で丁寧に、枠内にバランス良く記載します。姓(苗字)と名(名前)の間には、一文字分のスペース(空白)を空けると、採用担当者にとって読みやすくなります。
- パソコン作成の場合ビジネス文書として標準的なフォント(明朝体など)を使用します。手書きと同様に、姓と名の間には全角スペースを一つ入れましょう。
最大の注意点。「ふりがな」と「フリガナ」の違い
氏名欄の上には、必ず「ふりがな」または「フリガナ」の記載欄があります。ここで間違う応募者は意外と多く、採用担当者に「指示を読んでいない」と判断されるポイントです。
- 「ふりがな」と平仮名で記載されている場合→ 読み仮名は、必ず**「ひらがな」**で書きます。(例:やまだ たろう)
- 「フリガナ」と片仮名で記載されている場合→ 読み仮名は、必ず**「カタカナ」**で書きます。(例:ヤマダ タロウ)
これは、履歴書作成における最も基本的なルールのひとつです。「ふりがな」欄にカタカナで書く(またはその逆)のは、明確なマナー違反となります。
結婚などで姓が変わった場合(旧姓の扱い)
転職活動において、結婚などで姓が変わった場合、履歴書には「現在の戸籍上の姓」を記載するのが原則です。
しかし、前職(あるいはそれ以前)の実績やキャリアが、旧姓(きゅうせい)での活動であった場合、採用担当者が「〇〇(旧姓)という名前の人は知っているが…」と、あなたの経歴を正しく認識できない可能性があります。
もし、旧姓で業界内での実績があり、それをアピールしたい場合は、氏名欄に旧姓を併記する方法があります。
書き方:「山田 花子(旧姓:佐藤)」
このように()書きで旧姓を添えることで、採用担当者はあなたの過去の実績と、現在の応募者情報とをスムーズに結びつけることができます。
押印(印鑑)欄がある場合の対応
氏名欄の横には、押印(おういん)のための「印」というマークが設けられている履歴書テンプレートもあります。
- 「印」の欄がある場合原則として、押印が必要です。使用する印鑑は、インク浸透印(シャチハタなど)ではなく、朱肉を使って押す「認印(みとめいん)」を使用します。文字が欠けたり、かすれたり、斜めになったりしないよう、まっすぐ丁寧に押しましょう。
- 「印」の欄がない場合近年、厚生労働省が推奨する履歴書様式などでは、押印欄は廃止されています。テンプレートに欄がなければ、押印は一切不要です。
- パソコン作成・データ提出の場合データをメール(PDF)などで送付する場合、押印は物理的に不可能なため、もちろん不要です。
結論。名前はあなたの「看板」
履歴書の名前欄は、あなたの「看板」です。この基本的な項目を、ルール(ふりがな・フリガナ)に従って、正確に、かつ丁寧(手書きの場合)に記載すること。
その「当たり前」をきちんと実行できる姿勢こそが、採用担当者に「この人は信頼できるビジネスパーソンだ」という最初の安心感を与える鍵となります。





