履歴書の「特技」、例から学ぶ転職でのアピール術と書き方
履歴書で悩む「特技」欄。何を書くべきか
転職活動で履歴書を作成する際、多くの人が「職務経歴」や「志望動機」と同じくらい頭を悩ませるのが、「趣味・特技」の欄です。
「特技と言えるほどのものがない」「こんなことを書いてマイナスにならないか」と不安に思い、「履歴書 特技 例」と検索して、無難な回答を探す方も少なくありません。
採用担当者は、この「特技」欄から、あなたの「人柄」や「継続力」、そして「自己分析能力」を読み取ろうとしています。つまり、この欄は単なるオマケではなく、あなたの人柄を補足する「アピールのチャンス」なのです。
ここでは、転職活動で評価されやすい「特技」の具体的な例と、その効果的な書き方を解説します。
「特技がない」はNG。「特になし」のリスク
まず、特技が思いつかないからといって、**「特になし」**と記載することは、転職活動において最も避けるべき回答です。
採用担当者に「自己分析ができていない」「アピールする意欲が低い」といったマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
履歴書に書く「特技」とは、プロレベルの特殊技能のことではありません。「他人より少し得意なこと」「日常的に継続していること」で十分なのです。
【カテゴリー別】転職で使える「特技」の例一覧
ご自身に当てはまるものがないか、ヒントとしてご活用ください。大切なのは、この「例」をヒントに、ご自身の経験と結びつけて語れることです。
1. 仕事に直結・関連する「スキル系」の例
応募する職種と関連性が高い場合、最も強力なアピールとなります。
- PCスキル(Excel、Word、タッチタイピング)
- データ集計、データ分析
- 語学(英会話、TOEIC〇点、ビジネスメール対応)
- デザインソフトの操作(Photoshop, Illustrator)
- 動画編集
- プログラミング(趣味または実務)
- 速読
2. 継続力・体力・精神力が伝わる「運動系」の例
「体力」や「継続力」「自己管理能力」は、全ての仕事の土台となるため、ポジティブに評価されます。
- ランニング、ウォーキング
- 筋力トレーニング(ジム通い)
- ヨガ、ピラティス
- スポーツ(野球、サッカー、バスケットボールなど)
- 武道(剣道、柔道、空手など)
- 登山、サイクリング
3. 思考力・計画性・正確性が伝わる「インドア系」の例
一見趣味に見えることでも、「仕事への姿勢」に翻訳してアピールできます。
- 料理(「段取り」を考えて効率よく調理できる → 計画性・効率化)
- 掃除、整理整頓(常に身の回りを整える → 几帳面さ、業務環境の整備)
- DIY、プラモデル制作、裁縫(一つのものを集中して作り上げる → 集中力、忍耐力)
- 書道、ペン習字(丁寧な文字を書く → 丁寧な仕事ぶり、正確性)
- パズル(ジグソーパズル、クロスワード)(論理的思考、集中力)
- そろばん、暗算(数字への強さ、正確性)
4. コミュニケーション能力が伝わる「対人系」の例
人柄や、チームで働く上での素養を伝えることができます。
- 人の顔と名前を覚えるのが早い
- 傾聴(人の話をじっくり聞くのが得意)
- 後輩や初心者に教えること(指導力)
- ボランティア活動(社会貢献意識、協調性)
【最重要】「例」をそのまま書くだけでは不十分。書き方のコツ
「特技」の例を見つけたとして、それを「特技:料理」と単語だけで書くのはNGです。 これでは、あなたの人柄や強みが全く伝わりません。
採用担当者に響く書き方のコツは、**「特技名」+「簡潔な補足(レベルや継続状況、どう得意なのか)」**を必ずセットで記載することです。
悪い書き方の例
- 特技:Excel
- 特技:ランニング
- 特技:整理整頓
良い書き方の例(具体的な補足あり)
【例文1:PCスキル】
- 特技:Excel操作(補足:VLOOKUP関数やピボットテーブルを用いたデータ集計と分析が得意で、業務効率化に活かせます。)
【例文2:運動(継続力・体力)】
- 特技:ランニング(補足:週3回10kmのジョギングを5年間継続しており、体力と自己管理には自信があります。)
【例文3:インドア(計画性・段取り力)】
- 特技:料理(補足:冷蔵庫にある食材から、効率的な段取りを考えて複数の品目を作ることが得意です。)
【例文4:インドア(丁寧さ・正確性)】
- 特技:整理整頓(補足:デスク周りやPCのデータフォルダを常に整理し、必要な情報をすぐに取り出せる環境を保つのが得意です。)
【例文5:対人スキル】
- 特技:人の顔と名前を覚えること(補足:一度お会いした方の特徴を素早く掴み、覚えるのが得意です。前職の接客業務でも役立ちました。)
履歴書に書くべきではない「NG」な例
- 「特になし」→ 最も避けるべき回答です。自己分析ができていない、アピール意欲が低いと見なされます。
- ギャンブル系→ 「パチンコ」「競馬」など。金銭感覚や自己管理能力に不安を持たれます。
- 政治・宗教に関するもの→ 思想信条に関わる内容は、ビジネスの場では誤解を生む可能性があるため避けます。
結論。一覧は「ヒント」。あなた自身の言葉で伝えよう
履歴書の「特技」欄は、あなたの「人となり」を伝える貴重なスペースです。今回紹介した「特技の例」は、あくまでご自身の強みや経験を思い出すための「ヒント」として活用してください。
ご自身の経験を棚卸しし、それが仕事のどのような側面(継続力、計画性、正確性など)に繋がるかを考え、具体的な一言を添える。その「ひと手間」が、採用担当者の心に響くアピールとなります。





