履歴書のパソコンでの作り方。転職で推奨される理由と基本ルール
転職活動とパソコンでの履歴書作成
現在の転職活動において、履歴書をパソコン(PC)で作成することは、手書きと並ぶ、あるいはそれ以上に一般的な方法となっています。特に中途採用(転職)では、応募書類の多くがEメールやWebフォーム経由で提出されるため、データとして管理しやすいパソコン作成の履歴書が好まれる傾向にあります。
「手書きでないと熱意が伝わらないのでは」と不安に思う方もいるかもしれませんが、心配ありません。パソコン作成には、手書きにはない多くのメリットがあり、むしろビジネスマナーとして推奨される場面も増えています。
パソコンで履歴書を作るメリット
なぜ転職活動でパソコン作成が推奨されるのか、その主な理由を整理しましょう。
1. 効率性と修正の容易さ
最大のメリットは「効率性」にあります。一度データを作成しておけば、日付や応募先ごとに異なる志望動機を書き換えるだけで、複数の企業にスピーディーに応募できます。手書きのように、一文字間違えただけで最初から書き直す、という手間が発生しません。
2. 圧倒的な「読みやすさ」
パソコンで作成された活字は、誰にとっても読みやすいものです。採用担当者は、日々多くの応募書類に目を通しています。整然とレイアウトされた読みやすい書類は、それだけで「配慮ができる人物」という好印象を与えます。
3. PCスキルのアピール
WordやExcelといったビジネスソフトを使い、体裁の整った書類を作成できること自体が、「基本的なPCスキル(文書作成能力)」を持っていることの証明にもなります。
パソコンで履歴書を作るために準備するもの
実際に作成を始める前に、以下のものを準備します。
- パソコン
- 作成ソフト(Word, Excelなど)Word(ワード)かExcel(エクセル)のどちらかがあれば、ほとんどのテンプレートに対応できます。
- 履歴書のテンプレート(雛形)インターネット上で無料でダウンロードできます。厚生労働省が推奨する様式や、転職サイト(タウンワークなど)が提供している、転職者向けのテンプレート(職務経歴書がセットになったものなど)を選ぶと便利です。
- 証明写真の「データ」写真スタジオや、データ取得機能がある証明写真機で撮影した、スーツ着用の清潔感のある写真データ(3ヶ月以内に撮影したもの)を準備します。
パソコンでの履歴書の作り方。基本ルールと注意点
テンプレートに沿って入力していくだけですが、パソコン作成ならではの注意点があります。
フォント(書体)と文字サイズ
- フォントビジネス文書として最も一般的な**「明朝体(MS明朝など)」**を使用します。見出しなどで「ゴシック体(MSゴシックなど)」を使うこともありますが、本文は明朝体で統一するのが無難です。
- 文字サイズ小さすぎても大きすぎても読みにくくなります。一般的に、本文は**「10.5pt〜11pt」**程度が読みやすいとされています。氏名など、大きな枠の部分は少し大きめ(例:14pt〜18pt)に設定し、全体のバランスを見ながら調整します。
西暦・和暦の統一
これは手書きでも同様ですが、パソコン作成では特に混在しやすいため注意が必要です。
生年月日、学歴、職歴、資格取得日など、履歴書内のすべての日付表記は、「西暦(例:2025年)」か「和暦(例:令和7年)」のどちらかに必ず統一します。
職務経歴書とも合わせる必要があり、現代のビジネス文書としては「西暦」で統一する方が合理的で、一般的です。
証明写真のデータの貼り付け
WordやExcelの「挿入」機能を使って、写真データを所定の枠内に貼り付けます。枠に対して写真が大きすぎたり、小さすぎたりしないよう、サイズを適切に調整します。スナップ写真や自撮り写真の切り抜きデータを使用するのは、絶対に避けてください。
作成後の最重要ステップ。「PDF化」と「ファイル名」
履歴書が完成したら、そのまま提出してはいけません。
提出は必ず「PDF形式」に変換する
作成した履歴書は、必ず「PDF形式」に変換(エクスポート、またはPDFとして保存)してから提出します。
WordやExcelのファイル(.docx や .xlsx)のまま送ってしまうと、採用担当者のパソコン環境(OSやソフトのバージョン違い)によって、レイアウトが崩れたり、文字化けしたりするリスクがあります。また、第三者による編集(改ざん)も容易です。
PDF形式は、どのような環境でも作成時のレイアウトのまま閲覧でき、編集も困難なため、応募書類の提出形式として必須のマナーとなっています。
提出時の「ファイル名」に配慮する
PDF化したデータのファイル名も重要です。「履歴書.pdf」や「名称未設定.pdf」といった名前では、採用担当者が管理に困ってしまいます。
「履歴書(氏名)_20251106.pdf」
「履歴書_山田太郎.pdf」
このように、**「何の書類か」「誰の書類か」**が一目で分かるファイル名に設定することが、社会人としての配慮です。
結論。パソコン作成は「道具」、中身こそが勝負
パソコンでの履歴書の作り方をマスターすれば、転職活動の効率は格段に上がります。
ただし、どれだけ体裁が整っていても、採用担当者の心を動かすのは、その履歴書に書かれたあなたの「経験」と「熱意」、そして「志望動機」です。
パソコンはあくまで道具(ツール)です。それによって生み出された時間を、企業研究やご自身のキャリアの棚卸しといった、「中身」を充実させるために使いましょう。





