履歴書の「単発バイト」の書き方。転職でアピールになる?
転職者の履歴書に「単発バイト」は書くべきか
転職活動で使用する履歴書を作成する際、過去の「単発バイト」(日雇いや数日間のみの短期アルバイト)の経歴を、職歴欄に書くべきかどうか、悩む方は少なくありません。
まず結論から言いますと、原則として、転職活動用の履歴書(正社員応募など)の職歴欄に、単発バイトの経歴を詳細に記載する必要はありません。
採用担当者が重視しているのは、あなたのキャリアの主軸となる正社員や契約社員としての経験であり、どのような実務能力や専門性を持っているかです。単発バイトの経歴をすべて羅列してしまうと、かえって職歴が煩雑(はんざつ)になり、キャリアの一貫性が見えにくくなるリスクがあります。
単発バイトの経歴を「書いた方が良い」ケース
しかし、原則がそうであっても、単発バイトの経験をあえて記載した方が良い、あるいは記載すべきケースも存在します。
1. 職歴の「空白期間(ブランク)」を説明するため
これが、単発バイトの経歴を記載する最大の理由です。前職を退職してから次の仕事に就くまでの間に、数ヶ月以上の「空白期間(ブランク)」がある場合、採用担当者は「この期間、何をしていたのか」と疑問を持ちます。
その期間について「何もしていませんでした」と見なされるよりも、「転職活動と並行し、単発バイトなどで社会と関わり、収入を得ていた」と説明する方が、遥かに前向きな印象を与えられます。
2. 応募先の業務内容と「関連性」が高い場合
たとえ単発の仕事であっても、その業務内容が、今回応募する企業の仕事と強く関連している場合は、アピール材料となり得ます。
例えば、イベント運営会社に応募する際に、過去にイベント設営や運営の単発バイトを数多く経験しているのであれば、それは「即戦力」として評価される可能性があります。
履歴書への「書き方」。単発バイトをどう記載するか
単発バイトの経歴を記載すると決めた場合、その「書き方」には細心の注意が必要です。
やってはいけない書き方:全てのバイトを羅列する
最も避けるべきなのは、経験した単発バイトを一つひとつ時系列で書き並べることです。
(悪い例)
〇〇年〇月 △△株式会社 単発アルバイト(倉庫内作業)
〇〇年〇月 ××株式会社 単発アルバイト(イベント設営)
〇〇年〇月 ◇◇株式会社 単発アルバイト(データ入力)
これでは職歴欄が煩雑になるだけで、あなたのキャリアを正しく伝えることができません。
正しい書き方:「期間」と「業務内容」でまとめる
空白期間を説明する場合、複数の単発バイトは「一つの期間」として、まとめて記載するのが正しい方法です。
(書き方 例文1:派遣会社・登録会社を利用した場合)
〇〇年〇月 〇〇株式会社(または、〇〇派遣)に登録
(転職活動と並行し、単発アルバイトとして主にデータ入力、軽作業などに従事)
(書き方 例文2:複数の会社で直接雇用された場合)
〇〇年〇月〜〇〇年〇月 複数社にて単発アルバイトとして勤務
(主に〇〇(例:イベント運営、倉庫内ピッキング等)の業務に従事)
このように記載することで、空白期間に何をしていたかを誠実に説明しつつ、職歴欄の簡潔さを保つことができます。
「職務経歴書」や「自己PR」欄でのアピール方法
もし、単発バイトの経験が応募先と強く関連しており、スキルとしてアピールしたい場合は、履歴書の職歴欄ではなく、「職務経歴書」や履歴書の「自己PR」欄を活用するのが効果的です。
履歴書はあくまで「概要」です。職務経歴書であれば、その単発バイトを通じてどのようなスキル(例:特定のソフトの操作、短時間で業務を覚える順応性など)を培ったのかを、具体的に説明するスペースがあります。
(自己PR欄での例文)
前職退職後の期間中、〇〇のスキルを維持・向上させるため、単発のデータ入力業務にも積極的に従事しました。その結果、〇〇(ソフト名)の操作スキルを落とすことなく、正確かつ迅速な処理能力を維持しております。
結論。書くべきかどうかの判断基準
履歴書に単発バイトの経験を書くかどうかの最終的な判断基準は、**「その情報が、応募先へのアピールになるか」**という一点に尽きます。
- 空白期間の説明になるか?
- 応募先の業務に関連性があるか?
- 記載することで、かえって職歴が分かりにくくならないか?
これらの視点で判断し、ご自身の経歴を最も魅力的に見せるための戦略として、記載するかどうかを決めましょう。





