履歴書の「数字」。全角か半角か? 効果的なアピール方法とは
履歴書における「数字」の重要性
履歴書を作成する際、私たちは無意識に多くの「数字」を扱っています。生年月日、電話番号、学歴・職歴の年月、そして自己PRで用いる実績。これらの数字の書き方一つで、採用担当者に与える印象は大きく変わります。「たかが数字」と侮らず、その「表記ルール」と「戦略的な使い方」を理解することが、書類選考を通過する履歴書作成の第一歩となります。
最大の疑問。「全角」と「半角」の使い分け
履歴書を作成する上で最も多くの方が悩むのが、「数字は全角(例:2025)で書くべきか、半角(例:2025)で書くべきか」という問題です。
基本原則は「半角(アラビア数字)」
現代のビジネス文書(横書き)において、数字は「半角(アラビア数字)」で記載するのが一般的です。履歴書も例外ではございません。手書き・パソコン作成を問わず、以下の項目はすべて「半角」で統一するのが最も読みやすく、整った印象を与えます。
- 生年月日、日付全般(例:1990年4月1日、2025年11月6日)
- 電話番号、郵便番号(例:090-XXXX-XXXX、100-0001)
- 学歴・職歴の年月(例:2015年4月 入社)
- 通勤時間(例:約45分)
- 免許・資格の級数(例:簿記検定2級、英検準1級)
- 扶養家族数(例:1人)
かつては縦書きの履歴書も存在し、その場合は「漢数字(例:一、二、三)」が用いられましたが、横書きが主流の現在では、半角のアラビア数字が最適解となります。
住所の「数字」はどう書くか
数字の表記で例外的に迷うのが「住所」です。
「東京都千代田区丸の内1-1-1」のように、番地をハイフン(-)でつなぐ場合は、半角数字と半角ハイフンで記載するのが最も簡潔で一般的です。
「東京都千代田区丸の内一丁目一番一号」のように漢数字を使う書き方も伝統的ですが、実務上はハイフン表記で全く問題ございません。
固有名詞に含まれる数字はそのまま記載
唯一の例外は、学校名や会社名といった「固有名詞」に数字が含まれる場合です。例えば、「第一高等学校」や「株式会社三五」といった名称の場合、その正式名称が漢数字であれば「漢数字(全角)」で、アラビア数字であれば「アラビア数字(全角または半角、正式名称に準拠)」で記載します。これはルールではなく、正式名称を正しく書くというマナーです。
アピールとしての「数字」。説得力を高める使い方
履歴書の表記ルールとしての数字とは別に、自己PR欄や職務経歴書において、あなたの実績を伝えるための「戦略的な数字」の使い方を知ることは非常に重要です。
「頑張った」を「数字」に変換する
採用担当者は、「熱意」や「頑張り」といった抽象的な言葉よりも、客観的な「事実」と「成果」を知りたがっています。あなたの行動を最も客観的に示すのが「数字」です。
- (悪い例):売上アップに貢献し、リーダーとして頑張りました。
- (良い例):チームリーダーとして5名のメンバーをまとめ、前年比**120%**の売上目標を達成しました。
具体的な「数字」で実績を可視化する
職務経歴書や履歴書の自己PR欄では、以下の点において数字を用いられないか、ご自身の経験を棚卸ししてみてください。
- 成果:売上〇%(〇円)増加、コスト〇%(〇円)削減、成約率〇%改善
- 規模:〇名のチームマネジメント、〇〇円規模の予算管理、〇店舗の統括
- 量・頻度:1日あたり〇件の顧客対応、〇〇件の新規開拓、月間〇本の記事作成
- 効率:業務時間を〇時間短縮、リードタイムを〇日短縮
結論。数字の扱いは「丁寧さ」と「説得力」の証
履歴書において、数字の表記(半角)を統一することは、あなたの「丁寧さ」や「ビジネスマナーへの理解」を示します。そして、実績をアピールするために戦略的に「数字」を用いることは、あなたの能力を客観的に証明する「説得力」となります。この二つの「数字」を正しく扱うことが、書類選考を通過する履歴書の鍵となります。





