履歴書の「個人事業主」の書き方。職歴欄での正しい記載方法
個人事業主・フリーランスの経験は「職歴」
個人事業主(フリーランス)として活動してきた期間は、会社勤務と同様、あるいはそれ以上に濃密な「職務経歴」です。この経験を履歴書に記載しないことは、ご自身のキャリアに空白期間を作ってしまうことになり、非常にもったいない選択と言えます。事業運営を通じて培った専門スキル、自己管理能力、営業力、経理知識などは、企業が求める人材像と合致することも多々ございます。自信を持って、職歴欄に正確に記載しましょう。
職歴欄への基本的な記載方法。「開業」と「廃業」
会社勤務の場合は「入社」「退社」と記載しますが、個人事業主の場合は「開業」と「廃業」という言葉を用いるのが一般的です。
まず、活動を開始した年月を記載し、「〇〇(屋号など) 開業」と記します。そして、もし事業を終了しているのであれば、その年月を記載し、「〇〇(屋号など) 廃業」または「事業終了」と記載します。
例:
〇〇年〇月 〇〇デザイン 開業
〇〇年〇月 〇〇デザイン 廃業
屋号(やごう)がある場合の記載例
もし「〇〇デザイン」「〇〇商店」といった屋号(事業所名)を税務署に届け出ている、あるいは対外的に使用していた場合は、それを会社名のように記載します。
例:
〇〇年〇月 Webデザイン〇〇 開業
(主な業務内容:Webサイト制作、LPデザイン、バナー作成など)
〇〇年〇月 Webデザイン〇〇 廃業
屋号がなく「フリーランス」として活動した場合の記載例
特定の屋号を持たず、フリーランスのエンジニアやライターとして本名などで活動していた場合も、基本的な考え方は同じです。「個人事業主として開業」と明記し、どのような分野で活動していたかを明確にします。
例:
〇〇年〇月 個人事業主として開業
(フリーランスWebライターとして活動)
(主な業務:SEO記事作成、コラム執筆、取材・インタビュー)
〇〇年〇月 一身上の都合により廃業
業務内容を補足し、スキルを明確化する
履歴書の職歴欄はスペースが限られていますが、「開業」と記載するだけでは、採用担当者はあなたが何をしていたのか判断できません。上記の例のように、()書きなどで「主な業務内容」や「〇〇として活動」といった形で、どのようなスキルを提供していたのかを簡潔に補足することが非常に重要です。応募先企業で活かせる専門分野をアピールしましょう。
事業を継続中のまま転職活動をする場合
事業を完全に廃業せず、在職中の会社員が転職活動をするのと同様に、個人事業主として活動を続けながら応募する場合もございます。その場合は、最後の職歴として「〇〇 開業」と記載し、その一行下の右端に「現在に至る」と記載します。
例:
〇〇年〇月 〇〇コンサルティング 開業
現在に至る
ただし、この場合、面接などで「入社後、個人事業の活動はどうされるのか」と質問される可能性が高いです。副業として継続するのか、入社日までに廃業するのか、ご自身の考えを明確に説明できるよう準備しておく必要がございます。
個人事業主の経験を職務経歴書で補足する
履歴書には概要を記載し、詳細な実績やスキルは「職務経歴書」でアピールするのが鉄則です。個人事業主としてどのようなクライアントと、どのような契約(請負・準委任など)で、どのような成果を上げたのかを具体的に記載します。「主体的に動ける」「自己管理ができる」といった、個人事業主ならではの強みを、具体的なエピソードと共に職務経歴書に落とし込むことで、経歴がより一層魅力的なものとなります。





