履歴書の「検定」は何級から書くべきか？評価の基準と判断軸

履歴書に検定を書く際の悩み

履歴書の「免許・資格」欄を作成する際、多くの方が悩むのが「検定試験の結果をどこから記載すべきか」という点です。「〇〇検定3級を持っているが、書いても評価されるだろうか」「低い級を書いて、かえってマイナスの印象にならないだろうか」といった不安は尽きません。この記事では、履歴書に検定を記載する際の一般的な目安と、採用担当者の視点について解説いたします。

「何級から」という絶対的なルールはない

まず大前提として、履歴書に記載する検定について「何級以上でなければならない」という法律や社会的な決まりは一切ございません。ご自身が努力して取得した検定であれば、原則として記載すること自体は自由です。しかし、採用担当者がそれを見てどう判断するか、という「評価の視点」を理解しておくことは非常に重要です。

一般的に評価されやすいレベルの目安

世間一般において、「ビジネススキルとして一定のレベルにある」と認識されやすい目安は存在します。例えば、実用英語技能検定（英検）や日本漢字能力検定（漢検）であれば「2級以上」、日本商工会議所簿記検定（日商簿記）であれば「2級以上」が、実務能力のアピールとして伝わりやすい一つのラインとされています。これらは、多くの企業で一定の知識水準の証明として認知されているためです。

最も重要な判断基準は「応募職種との関連性」

「何級か」という数字以上に採用担当者が重視しているのは、「その検定で得た知識やスキルが、応募する仕事内容とどれだけ関連しているか」という点です。

例えば、経理事務職に応募する場合、日商簿記3級は「基礎知識がある」という十分なアピールになります。この場合、2級でなくとも記載する価値は非常に高いと言えます。一方で、全く関連性のない職種（例：営業職）に応募する場合、簿記3級のアピール度は相対的に低くなるかもしれません。

低い級しか持っていない場合の考え方

もし、現時点で保有しているのが一般的な目安（例：2級）より低い級（例：3級や4級）だった場合、記載すべきか否かは以下の点で判断します。

1つ目は、前述の「職務との関連性」です。関連性が高いのであれば、基礎知識保有の証として記載しましょう。

2つ目は、「学習意欲の証明」として記載するケースです。たとえ級が低くとも、その分野に関心を持ち、自ら学んだという姿勢は評価される可能性があります。ただし、あまりにも基礎的すぎる級（例：中学生レベルとされる級など）は、かえってアピールにならないと判断される場合もあるため、慎重な検討が必要です。

勉強中の検定をアピールする方法

もし「今は3級しか持っていないが、現在2級取得に向けて勉強中だ」という場合、その意欲を伝えることも有効です。その際は、「免許・資格」欄に書くのではなく、「本人希望欄」や「特記事項」欄を活用し、「〇〇検定2級 取得に向け勉強中（〇月受験予定）」といった形で記載すると、自己研鑽の姿勢をアピールできます。

記載する検定の取捨選択

履歴書の「免許・資格」欄のスペースは限られています。関連性の低い検定や、アピール度が低い検定を数多く羅列するよりも、応募先の企業が求めている人物像に合致する検定や資格を厳選して記載する方が、要点を的確に伝えることができます。ご自身のキャリアプランと、応募先の業務内容を照らし合わせ、戦略的に記載する検定を選びましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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