転職活動のための履歴書。正しい記入例と各項目のポイント
転職活動において、履歴書は応募先企業にご自身の経歴やプロフィールを伝え、面接への第一歩を切り開くための非常に重要な書類です。採用担当者は、履歴書に記載された内容だけでなく、その書き方や丁寧さからも、応募者の人柄やビジネスマナーへの理解度を判断しようとしています。ここでは、転職活動で求められる履歴書の基本的な書き方について、各項目の記入例を挙げながら、そのポイントを詳しく解説いたします。
履歴書作成の基本姿勢と全体の注意点
履歴書は、ご自身の経歴を示す公的なビジネス文書です。したがって、「正確性」と「丁寧さ」が何よりも求められます。学校名や会社名、資格名はすべて正式名称で記載し、誤字脱字がないよう、作成後には必ず複数回の見直しを行ってください。また、日付などの年号は、履歴書全体で「西暦(例:2025年)」または「和暦(例:令和7年)」のどちらかに必ず統一します。現代の転職活動では、応募先から手書きの指定がない限り、読みやすく修正も容易なパソコンでの作成が一般的であり、推奨されます。
基本情報欄(日付・氏名・連絡先)の記入例とポイント
履歴書の冒頭にある基本情報欄は、応募者を特定し、連絡を取るために不可欠です。「日付」欄には、履歴書を提出する当日の日付(郵送なら投函日、Eメールなら送信日、持参なら当日の日付)を記入します。「氏名」は戸籍上の正しい漢字で丁寧に記載し、ふりがなも履歴書の様式(「ふりがな」なら平仮名、「フリガナ」なら片仮名)に合わせて正確に記入します。「住所」は都道府県から省略せず、アパートやマンション名、部屋番号まで詳細に記載してください。「電話番号」は、日中に最も連絡が取りやすい携帯電話の番号を、「Eメールアドレス」は、在職中の会社のアドレスは避け、転職活動専用の、ご自身の氏名を使ったようなシンプルな個人のアドレスを記載するのが望ましいです。
学歴欄の記入例と書き方
学歴欄は、職歴欄の前に記載します。まず、一行目の中央に「学 歴」と見出しを記します。転職活動の場合、一般的に「高等学校(高校)」の入学・卒業時から記載します。学校名や学部・学科名は、通称や略称ではなく、必ず「〇〇県立 〇〇高等学校 普通科」「〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科」のように正式名称で記載します。記入例としては、「〇〇年〇月 〇〇高等学校 入学」と「〇〇年〇月 〇〇高等学校 卒業」のように、入学と卒業をそれぞれ別の行に分けて時系列で記載するのが基本です。
職歴欄の記入例と書き方
学歴欄をすべて書き終えたら、一行空けて、中央に「職 歴」と見出しを記します。職歴も学歴と同様に、時系列で記載します。会社名は「株式会社〇〇」のように必ず正式名称で記し、入社した年月と共に「入社」と記載します。次の行に、所属していた部署名や、簡潔な業務内容(記入例:「営業部 配属。法人向け新規開拓営業に従事」など)を添えると、採用担当者にとって分かりやすくなります。退職した場合は、その年月を記載し、「一身上の都合により退職」と記します。現在も在職中の場合は、最後の職歴の入社情報を記載した後、次の行に「現在に至る」と記載します。すべての職歴を書き終えたら、その一行下の右端に「以上」と記して締めくくります。
免許・資格欄の記入例と書き方
免許や資格は、ご自身のスキルを客観的に証明するものです。取得した年月順に、正式名称で記載するのがルールです。記入例としては、「普通自動車第一種運転免許 取得」「実用英語技能検定 2級 合格」「宅地建物取引士試験 合格」「TOEIC公開テスト 〇〇点 取得」といった形になります。応募する職務に直接関連するものや、ご自身の強みをアピールできる資格を優先的に記載すると効果的です。特に記載する資格がない場合は、「特になし」と記入します。
志望動機欄の記入例に見るポイント
志望動機は、採用担当者が応募者の熱意や自社との適合性を判断する上で、最も重視する項目の一つです。インターネット上で見つかる記入例をそのまま使用するのではなく、ご自身の言葉で作成することが不可欠です。ポイントは、「なぜ他社ではなく、その企業を志望するのか」という具体的な理由と、「ご自身のこれまでの経験やスキルが、入社後にどう貢献できるのか」という二点を明確に結びつけることです。企業研究に基づいた応募先企業への具体的な魅力と、ご自身の強みを論理的に関連させて記述しましょう。
本人希望欄の記入例と原則
本人希望欄は、給与や待遇面での一方的な要求を記載する場所ではありません。原則としては「貴社の規定に従います」と記載するのが、ビジネスマナーとして最も適切です。これにより、応募者は企業の条件に対して柔軟に対応する姿勢があることを示すことができます。ただし、応募の前提となるような、絶対に譲れない条件がある場合に限り、その旨を簡潔に記載します。記入例としては、「現在在職中のため、ご連絡はEメール、または平日18時以降にお電話いただけますと幸いです」といった連絡に関する配慮事項や、複数の職種を募集している場合に「〇〇職を希望いたします」といった職種の明記が挙げられます。
まとめ。記入例を参考に、ご自身の言葉で仕上げる
履歴書の記入例は、あくまでも基本的な書き方の「見本」や「型」を示すものです。選考を通過するためには、これらのルールやマナーを守ることはもちろん、その上で、ご自身のこれまでの経験や、応募先企業への入社に対する真摯な熱意が、採用担当者にしっかりと伝わるよう、誠実かつ丁寧に作成することが最も重要です。記入例を参考にしつつも、最後はご自身の言葉で、ご自身だけの魅力が伝わる履歴書を仕上げましょう。





