履歴書の顔写真。採用担当者に好印象を与える基本ルール
履歴書に貼付する顔写真は、応募者の第一印象を決定づける非常に重要な要素です。採用担当者は、記載された経歴やスキルと同時に、その顔写真から応募者の人柄、清潔感、そして仕事に対する誠実さなどを無意識のうちに読み取ろうとしています。書類選考において、写真は応募者の「顔」として機能するため、ビジネスマナーに則った適切な準備が求められます。
顔写真の基本的な規格とサイズ
履歴書に使用する顔写真には、一般的に定められた規格があります。最も標準的なサイズは「縦40mm×横30mm」です。また、撮影時期も重要であり、応募者の現在の姿を正確に伝えるため、「撮影から3ヶ月以内」(長くとも6ヶ月以内)の写真を使用するのがマナーとされています。あまりにも古い写真や、現在の髪型や体型と大きく異なる写真は、信頼性を損なう可能性があるため避けるべきです。
撮影場所の選び方。スタジオとスピード写真
顔写真を撮影する場所として、主に「写真館(スタジオ)」と「スピード写真機(証明写真ボックス)」の二つの選択肢があります。スピード写真機は手軽で安価ですが、表情や姿勢の調整が難しく、画質も劣る場合があります。一方、写真館では、プロのカメラマンが撮影するため、姿勢や表情へのアドバイスが受けられ、清潔感や好印象を与える高品質な写真を準備できます。転職活動はご自身のキャリアにおける重要な局面ですので、できる限り写真館で撮影することをおすすめいたします。
適切な服装と身だしなみ
撮影時の服装は、応募する業界や職種にかかわらず、ビジネスシーンにふさわしい「スーツ」を着用するのが基本です。男性はネクタイを締め、シャツの第一ボタンまで留めます。女性もスーツやジャケット、インナーには清潔感のあるブラウスなどを選びます。髪型は顔がはっきりと見えるように整え、過度な装飾品は避けます。身だしなみ全体で、清潔感と誠実さを表現することが大切です。
表情と撮影時の姿勢
履歴書の顔写真は、真顔である必要はありませんが、歯を見せて笑うのも不適切です。口角をわずかに上げ、自然で明るい「ほほえみ」を意識すると、好印象を与えやすくなります。姿勢は、猫背にならないよう背筋を伸ばし、顎を軽く引いて、カメラのレンズをまっすぐに見据えます。
写真の背景色について
履歴書写真の背景色は、応募者の顔をはっきりと引き立たせる色を選ぶ必要があります。一般的に推奨されるのは、「白」「薄い青(水色)」「薄いグレー」のいずれかです。これらの色は清潔感があり、ビジネス用途として最も標準的です。背景に柄があったり、濃い原色が使われていたりするものは不適切です。
履歴書への正しい貼り方と裏書
撮影した写真は、履歴書本体の所定の枠線内に、まっすぐ、はみ出さないように丁寧に貼り付けます。使用する接着剤は、スティックのりや両面テープが適しており、水分の多い液体のりは、写真が波打つ原因となるため避けた方が無難です。そして、万が一写真がはがれてしまった場合に備え、写真の裏面には「氏名」と「撮影日」を油性の細いペンで記載しておく(裏書する)ことを強くおすすめします。
Web提出(オンライン)の場合の写真データ
近年主流となっているEメールや応募フォームでのWeb提出の場合、写真も「データ」で扱います。写真館で撮影する際に、印刷された写真と同時にデータ(JPEG形式など)も受け取っておくと非常に便利です。パソコンで履歴書を作成する際は、その画像データをテンプレートの所定の枠内に挿入します。この際、画像のサイズが枠に対して大きすぎたり、縦横比が崩れたりしないよう、丁寧に調整が必要です。印刷された写真をスマートフォンで撮影し、その画像を使うのは画質が著しく低下するため避けてください。
顔写真として不適切な例
履歴書の顔写真として、スナップ写真(日常生活や旅行先で撮影したもの)の切り抜きを使用することは、絶対に認められません。また、帽子やサングラスを着用しているもの、プリクラ、過度に加工・修正(フィルターなど)が施された写真も、公的な応募書類としては不適切です。あくまでも「証明写真」としての品質が求められます。
まとめ。写真は応募者の誠実さを映す鏡
履歴書の顔写真は、単なる本人確認のための画像ではありません。それは、応募者がビジネスマナーをどれだけ理解しているか、そして選考に対してどれだけ真剣に取り組んでいるかを示す「鏡」のようなものです。採用担当者に好印象を与え、ご自身の誠実さを伝えるためにも、服装、表情、撮影場所、貼り方に至るまで、細心の注意を払い、丁寧に準備することを心がけましょう。





