履歴書に「英検3級」は記載すべきか。転職活動における評価の目安
転職活動で履歴書を作成する際、「免許・資格」欄にどのような情報を記載すべきか悩むことがあります。特に、英語力を示す資格として広く知られる英検(実用英語技能検定)について、「3級」を記載しても良いものか、あるいはアピールとして有効なのか、判断に迷う方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、転職活動の応募書類における英検3級の扱いや、その評価の目安について解説いたします。
英検3級が示す英語力の水準
まず、英検3級がどの程度の英語力を示すレベルであるかを確認しておく必要があります。実用英語技能検定の基準によれば、3級は「中学校卒業程度」とされており、基礎的な英語を理解し、それを使ってみることができるレベルとされています。日常生活における身近なトピックであれば、ある程度のコミュニケーションが可能な水準です。
転職市場で評価される英検の級
転職活動(中途採用)の履歴書において、資格はご自身のスキルや専門性、学習意欲をアピールするための重要な要素です。英語力に関して言えば、多くのビジネスシーンで一定の評価を得られる目安とされるのは、一般的に「英検2級」以上とされています。2級は「高校卒業程度」のレベルであり、社会生活で必要な英語を理解し、使用できる能力の証明として広く認識されています。さらに、高い英語力が求められる職務であれば、準1級や1級が基準となることも珍しくありません。
履歴書に英検3級を記載するかの判断
それでは、本題である英検3級を履歴書に記載すべきかについてです。結論から申し上げますと、転職活動において英検3級を記載することが、選考で「プラスの評価」に直結するケースは、残念ながら極めてまれであると言わざるを得ません。ビジネスで求められる英語力の水準(一般的に2級以上)には達していないと判断されるため、アピールポイントとしては弱いと受け取られることがほとんどです。
記載することで生じる可能性のある印象
場合によっては、あえて英検3級を記載することが、採用担当者に「英語力のアピールとしては不十分である」という印象や、「なぜ2級以上を取得していないのか」という疑問を抱かせる可能性もゼロではありません。履歴書の資格欄は、ご自身の強みをアピールする場であるため、ビジネスレベルに達していない資格を記載することは、必ずしも得策とは言えないのです。
他に記載できる資格がない場合
「資格欄が空白になってしまうよりは、英検3級でも書いた方が良いのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、転職活動で企業が重視するのは、資格の数よりも、応募する職務に直結する「実務経験」や「専門スキル」です。資格欄が充実していなくても、職務経歴書や自己PR欄でご自身の強みを具体的に説明できれば、何ら問題はありません。
英語力をアピールしたい場合の次善策
もし、英語の学習意欲を伝えたいのであれば、英検3級という「過去の実績」を記載するよりも、「現在、英検2級(あるいはTOEIC〇〇点)取得に向けて勉強中である」という「未来への意欲」を自己PR欄などで補足する方が、前向きな姿勢として評価される可能性があります。
どうしても記載する場合の正しい書き方
上記を理解した上で、それでも何らかの理由で英検3級を履歴書に記載すると判断した場合は、正式名称で正確に記載する必要があります。「英検」は通称ですので、「免許・資格」欄には、取得年月日を明記の上、「実用英語技能検定 3級 合格」と記入するのが正しい書き方です。
まとめ。資格欄は「強み」を記載する場所
履歴書の資格欄は、ご自身が持つスキルの中で、応募先企業に対して「強み」としてアピールできるものを厳選して記載する場所です。英検3級は、英語の基礎学習を終えた証明にはなりますが、転職市場においてビジネススキルとしてのアピール力を持つことは難しいのが実情です。資格欄の充実にこだわるよりも、ご自身のこれまでの実務経験や、応募先でどのように貢献できるのかを、職務経歴書や志望動機で具体的に示すことに注力する方が、書類選考を通過するためにはるかに効果的と言えるでしょう。





