職務経歴書における「担当業務」の正しい書き方と魅力的に見せるコツ
転職活動に欠かせない「職務経歴書」は、これまでのキャリアや実績を企業に伝えるための重要なツールです。その中でも特に重要なのが、**「担当業務」**の記載です。採用担当者はこの項目を通して、「この人が何をしてきたのか」「どの程度のスキルがあるのか」を把握します。
しかし、「担当業務」の欄に何を、どこまで、どう書けばよいのか迷う方は多いものです。単なる業務の羅列では伝わらず、逆に抽象的すぎると実務能力が見えなくなってしまいます。
この記事では、「職務経歴書 担当業務」をキーワードに、企業に伝わる担当業務の書き方、採用担当者の視点、好印象を与えるコツ、そして具体的な記載例まで詳しくご紹介します。
なぜ「担当業務」の書き方が重要なのか?
担当業務は、あなたが実際に現場で何をしていたのかを最も具体的に伝えるパートです。企業側は、履歴書で確認した職種や在籍企業だけでは、実務経験の深さや即戦力かどうかを判断できません。
職務経歴書における「担当業務」の内容次第で、次のような評価がされます。
- 実務スキルが応募職種とマッチしているか
- 経験の深さ・年数・成果につながる力があるか
- チームでの役割、リーダー経験の有無など
したがって、ただ「経理を担当」や「営業をしていた」と書くだけでは不十分で、できるだけ具体的に、読み手の視点で記述することが大切です。
「担当業務」の書き方の基本構成
- 職務内容の概要(職種・配属部署)
- 日々の具体的な業務内容
- 使用していたツールやシステム(あれば)
- 担当範囲・工夫した点・実績など(可能なら)
担当業務を伝えるための書き方のポイント
① 数値や規模感を交える
例:「月間100件の請求処理を担当」「営業目標120%達成」など、定量的な情報があると実務のイメージが湧きやすくなります。
② 応募職種に関連する業務を中心に書く
職務経歴書は応募企業に合わせて調整しましょう。応募先で活かせる業務経験を重点的に詳述すると、マッチ度が高まります。
③ 「どのように」取り組んだかを加える
単なる業務内容にとどまらず、「工夫した点」「改善したこと」「周囲とどう連携したか」を書くと、評価されるポイントになります。
【職種別】担当業務の記載例
■ 例①:営業職の場合
【株式会社〇〇(2019年4月~2023年3月)】
職種:法人営業
配属部署:営業部 営業一課(メンバー5名)
担当業務:
・法人顧客への提案営業(ITソリューション)
・新規顧客開拓(月5~10件)および既存顧客のフォロー
・見積書・契約書の作成、売上管理、納品までの進捗管理
・社内SEや外部ベンダーとの連携によるシステム導入調整
・年間売上:4,500万円を担当、営業目標120%達成(2022年度)
■ 例②:事務職の場合
【株式会社△△(2020年5月~2023年9月)】
職種:営業事務
担当業務:
・受発注管理、請求書・見積書の作成(1日平均20件)
・顧客データの管理(Excel・Access使用)
・営業担当者のスケジュール調整・会議資料作成
・納期調整や取引先との電話・メール対応
・社内在庫管理システムのマスタ登録・更新作業
■ 例③:経理職の場合
【株式会社××(2017年1月~2022年12月)】
職種:経理担当
担当業務:
・仕訳入力、伝票作成、月次・年次決算補助
・売掛・買掛管理、入出金処理
・請求書発行、経費精算、銀行振込業務
・使用会計ソフト:弥生会計、勘定奉行
・税理士事務所との連携対応、監査準備資料の作成
担当業務を魅力的に見せるための追加テクニック
◆ 成果や工夫も一言加える
ただの業務内容で終わらず、ひとことでも「改善」や「効率化」の実績を加えると好印象です。
例:
- 「受発注業務を標準化するマニュアルを作成し、業務時間を20%削減」
- 「問い合わせ対応でFAQ集を作成し、対応時間の短縮に成功」
◆ 使用ツール・ソフトを記載する
職種によっては、使用経験のあるツールが評価対象になります。
例:
- Officeソフト(Excel、Word、PowerPoint)
- 業務システム(Salesforce、SAP、freeeなど)
書いてはいけないNG例
×「営業を担当していました。」
×「経理業務全般」
×「事務を行っていました。」
→ これらは曖昧すぎて内容が伝わりません。**「誰に・何を・どのように・どのくらい」**を意識して書きましょう。
まとめ
職務経歴書における「担当業務」は、あなたの経験とスキルを最もリアルに伝える重要な項目です。ただ単に「業務内容を書く」のではなく、どれだけ具体的に・わかりやすく・魅力的に見せられるかがポイントです。
応募先企業の業務に即した内容を丁寧にまとめることで、採用担当者の目にとまり、書類選考通過の可能性も大きく高まります。実務経験の価値をしっかりと伝える「担当業務」の記載を、ぜひ丁寧に仕上げてください。