組織設計事務所への転職を成功させるための応募書類作成ガイド
組織設計事務所が求める分業と統合のバランス感覚について
組織設計事務所への転職は建築業界の中でも特に人気が高く競争が激しい分野です。アトリエ系事務所やゼネコン設計部とは異なり組織設計事務所では意匠と構造および設備や電気といった各専門分野が高度に分業化されている一方で一つのプロジェクトに対してチームとして統合していく力が求められます。そのため採用担当者は個人の突出したデザイン能力や技術力だけでなく他部署の専門家と円滑に連携しプロジェクトを推進できるコミュニケーション能力や調整能力を重視します。応募書類を作成する際は自身の専門性をアピールすると同時に組織の一員としてチームワークを発揮できる資質があることを伝える必要があります。個人の作家性よりも組織としての総合力を高められる人材であることを意識して書類を作成することが書類選考突破の第一歩となります。
職務経歴書ではプロジェクト規模と担当フェーズを明確にする
組織設計事務所ではランドマークとなるような大規模な建築物や複合施設を手がける機会が多くあります。そのため職務経歴書においてこれまで担当したプロジェクトの規模感を正確に伝えることは非常に重要です。担当した建物の用途や延床面積さらには構造種別や階数といった定量的なデータを必ず記載します。またプロジェクトのどの段階に関わったかも詳細に記します。基本設計から実施設計や監理まで一貫して担当した経験があるのかあるいは特定の部分詳細設計に特化していたのかを明確にします。もし大規模プロジェクトの経験がない場合でも中小規模の案件でリーダーとして全体を統括した経験があればマネジメント能力として高く評価されます。自身の経験が組織設計事務所の業務といかに親和性が高いかを論理的に示す記述を心がけてください。
意匠だけでなく構造や設備との連携実績をアピールする
組織設計事務所の業務は多くの専門家との協働によって成り立っています。そのため職務経歴書や自己PRでは自身の専門分野以外のエンジニアとどのように連携して問題を解決したかというエピソードを盛り込むことが効果的です。例えば意匠設計者であれば構造的な制約をクリアしつつデザインを実現するために構造設計者とどのような調整を行ったかや設備スペースを確保するために設備設計者と初期段階からすり合わせを行った経験などを記述します。逆に構造や設備のエンジニアであれば意匠の意図を汲み取りつつ技術的な最適解を提案した事例などがアピール材料となります。自分の専門領域に閉じこもらず他分野への敬意と理解を持って業務を遂行できる姿勢を示すことで組織設計事務所にふさわしい人材であると判断されます。
ポートフォリオでは完成形だけでなく思考プロセスを見せる
特に意匠設計者の転職においてポートフォリオは職務経歴書と同じくらい重要な選考資料となります。組織設計事務所向けのポートフォリオでは単に完成した建物の美しい写真を並べるだけでなくそこに至るまでの思考プロセスを可視化することが重要です。敷地の読み解きからコンセプトの立案そしてスタディ模型による検証や図面への落とし込みといった設計の過程をストーリーとして構成します。またCGパースや図面の美しさも実務能力を判断する材料となるためレイアウトやフォントにもこだわり見やすく洗練されたポートフォリオに仕上げる必要があります。構造や設備のエンジニアであっても技術的な課題解決のプロセスを図解や写真でまとめた資料を添付することで専門性とプレゼンテーション能力を強力にアピールすることができます。
社会的意義と企業ごとの強みを掛け合わせた志望動機
組織設計事務所は公共建築や都市開発など社会性の高いプロジェクトを多く手がけており企業の理念としても社会貢献や環境配慮を掲げていることが一般的です。そのため志望動機を作成する際は個人的なスキルアップや待遇面だけでなく建築を通じてどのような社会課題を解決したいかという視座の高い動機を語ることが求められます。例えば環境負荷低減技術に強みを持つ事務所であればサステナブルな建築の実現に貢献したいという意欲を伝えます。また特定の用途(病院や学校など)に実績のある事務所であればその分野での専門性を深めたいというビジョンを提示します。なぜ他の設計事務所ではなくその事務所を選んだのかという理由を企業の特色と自身のキャリア目標をリンクさせて論理的に説明することで説得力のある志望動機となります。





