入職初日の服装、正解はどっち？ スーツかオフィスカジュアルか迷った時の「看護師のための身だしなみマニュアル」

「無事に内定をもらったけれど、初日は何を着て行けばいいの？」

「『動きやすい服装で』と言われたけれど、ジャージやジーンズはダメだよね……？」

転職活動の最終関門である書類選考や面接を突破し、いよいよ迎える**「入職初日」**。

第一印象が今後の人間関係を左右すると分かっているからこそ、当日の服装選びには慎重になりますよね。

実は、看護師の入職初日の服装には、一般企業とは少し違う**「独自の注意点」**があります。

「白衣に着替えるから何でもいい」は大間違い。ロッカーまでの道のりや、オリエンテーションの場でも、あなたの社会人としてのマナーは見られています。

本記事では、病院の規模や指示内容に合わせた「初日の服装の正解」と、意外と見落としがちな「足元・身だしなみ」のチェックポイントを解説します。

１．基本のルール：迷ったら「スーツ」が最強の安全策

まず結論から言えば、指定がない限り「スーツ」で行くのが最も無難で確実な正解です。

「堅苦しい人だと思われるかな？」と心配する必要はありません。初日にきちんとしすぎて評価が下がることは絶対にないからです。

特に以下のケースでは、必ずスーツ（ジャケット着用）を選びましょう。

• 大学病院・総合病院などの大規模病院
• 入職式や辞令交付式がある場合
• 「服装自由」としか書かれていない場合

色は黒、紺、ダークグレーなどのベーシックなものを。パンツスーツでもスカートでも構いませんが、看護師は動き回ることも想定してパンツスーツを選ぶ人が多い傾向にあります。

２．「動きやすい服装で」と言われたら？（オフィスカジュアルの正解）

クリニックや訪問看護ステーション、あるいは研修当日の場合、「動きやすい服装でお越しください」と指定されることがあります。

これを「普段着（Tシャツ・デニム）」と解釈するのはNGです。

ここでの正解は、**「きれいめオフィスカジュアル」**です。

オフィスカジュアルの具体例

清潔感があり、誰に会っても失礼にならない服装を指します。

• トップス:
  • 白やパステルカラーのブラウス、カットソー、薄手のニット。
  • 露出が多いものや、派手なロゴ入りは避けます。
  • 季節によってはカーディガンやジャケットを羽織ると「きちんと感」が出ます。
• ボトムス:
  • センタープレスの入ったパンツ（テーパードパンツなど）、膝丈のスカート。
  • 色は黒、紺、ベージュ、グレーなど。
  • NG: デニム、ショートパンツ、マキシ丈スカート（裾を踏む危険があるため）。

★ポイント:

「動きやすい服装」の真意は、「しゃがんだり手を伸ばしたりしても下着が見えない」「すぐに白衣に着替えられる」という意味が含まれています。

３．意外な落とし穴！ 「着替えやすさ」と「足元」

看護師ならではの視点として、**「出勤してすぐにロッカーで着替える」**という動作を想定した服選びが重要です。

① 着脱のしやすさを重視する

更衣室が狭かったり、朝の申し送りまで時間がなかったりします。

• ボタンが多いシャツ: 着替えるのに時間がかかるので避けたほうが無難。
• ワンピース: 楽ですが、ストッキングの着脱などが面倒な場合も。上下セパレートがおすすめです。

② 靴と靴下の罠

• 靴:
  • スニーカーはNG（通勤用としてはカジュアルすぎます）。
  • ヒールの低いパンプス（3〜5cm程度）や、シンプルなローファーがベストです。
  • サンダルやミュール、ブーツは避けましょう。
• 靴下・ストッキング:
  • スーツやオフィスカジュアルに合わせるストッキングと、白衣着用時の靴下（白ソックスなど）は異なる場合があります。
  • 必ず「白衣用の靴下」を持参しましょう。 ストッキングの上から履くのか、履き替えるのかを想定しておくことが大切です。

４．髪型・メイク・爪の最終チェックリスト

服装が決まったら、鏡の前で最終チェックです。初日は「清潔感」が命です。

• 髪型:
  • 肩につく長さなら、黒か茶色のゴムで一つに結ぶ。
  • お辞儀をした時に髪が落ちてこないよう、ピンで留める。
  • 髪色は規定内（一般的にはレベル7〜8以下）に収まっているか確認。
• メイク:
  • 「すっぴん」は社会人としてマナー違反と取られることも。健康的に見えるナチュラルメイクを心がけます。
  • ラメの多いアイシャドウや、濃すぎるリップはNG。
• 爪:
  • 短く切ってあるか？ ネイルはオフしてあるか？（透明マニキュアも不可の病院が多いです）。
• 香り:
  • 香水は禁止。柔軟剤の香りも強すぎないかチェックしましょう。

５．初日の持ち物リスト（忘れ物注意！）

服装が完璧でも、忘れ物をしては台無しです。前夜に必ず確認しましょう。

• 筆記用具（メモ帳・ボールペン黒・赤）
  • ※メモ帳はポケットに入るサイズが必須です。
• 印鑑（認印・訂正印）
  • ※シャチハタ可の場合が多いですが、念のため朱肉を使うものも用意。
• 提出書類一式
  • ※年金手帳、雇用保険被保険者証、免許証のコピーなど。
• クリアファイル
  • ※初日は大量の書類（就業規則や契約書）が配布されます。
• ナースシューズ・白衣（支給されていない場合）
• 飲み物・昼食
  • ※初日は食堂の使い方が分からない場合もあるため、持参が無難です（匂いの強いものは避ける）。

６．まとめ：服装は「やる気」を表現するツール

入職初日の服装は、ファッションセンスを見せる場ではありません。

**「私は今日から、この組織の一員として規律を守り、真面目に働きます」**という意思を、無言で伝えるためのツールです。

• 迷ったらスーツ（ジャケット着用）。
• 動きやすさ＝オフィスカジュアル（デニムはNG）。
• 着替えやすさと、清潔感を最優先に。

この3つを守れば、第一印象で失敗することはありません。

パリッとした服装で背筋を伸ばし、自信を持って新しいキャリアのスタートを切ってください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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