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転職5回は「経験値」の証明。回数の多さをハンデにせず、書類選考を勝ち抜くための「見せ方」改革

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「履歴書の職歴欄が足りない」「5回も転職を繰り返していると、さすがに書類で落とされるのではないか」

看護師としてキャリアを重ねる中で、気がつけば転職回数が5回(次で6ヶ所目)に達してしまった。一般企業の感覚ではかなり厳しい数字ですが、看護業界においても「5回」は、採用担当者が「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」と強い警戒心を抱くラインです。

何の工夫もなく、ただ正直に入退職の履歴を羅列しただけの書類を送れば、高い確率で不採用になります。しかし、諦める必要はありません。5回の転職を経てなお、看護師として働き続けようとするあなたの意欲と、5つの現場を知る豊富な経験は、見せ方次第で強力な武器になります。

本記事では、多めの転職回数を「ジョブホッパー」としての弱点ではなく、「即戦力としての熟練度」としてアピールし、書類選考を突破するための高度な作成戦略について解説します。

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1.採用担当者は「5回目」のあなたをどう見ているか

まず、相手の心理を正確に把握しましょう。採用担当者は、5回目の転職者に対して非常にシビアな目を向けています。

  • 最大の懸念:定着性への不信感「嫌なことがあるとすぐに逃げ出す癖があるのではないか」「人間関係のトラブルメーカーではないか」という疑念です。
  • 唯一の期待:圧倒的な即戦力「5つもの病院を見てきたなら、どんな環境でも即座に適応し、業務を回せるはずだ」という期待です。

書類作成におけるゴールは一つです。「定着性への不信感」を論理的な説明と覚悟で払拭し、「即戦力としての期待」を最大化させることです。「今回は絶対に辞めない」という根拠を示すことが、合格への必須条件となります。

2.履歴書の職歴欄が「足りない」問題の解決策

5回の転職歴があると、市販の履歴書の職歴欄には書ききれません。ここで「省略して書く」のは絶対にNGです。社会保険の履歴などから発覚し、経歴詐称となるからです。

【解決策:「別紙参照」を使いこなす】

履歴書の職歴欄には、直近の職歴や、特にアピールしたい主要な病院のみを抜粋して記入します。そして、欄外や最終行に必ず以下の文言を添えてください。

「※詳細な入退職歴については、別紙『職務経歴書』をご参照ください」

これにより、履歴書自体をすっきりと見やすく保ちつつ、すべての経歴を開示している誠実さをアピールできます。採用担当者も、真っ黒に文字が埋まった履歴書を見るより、整理された書類の方に好感を持ちます。

3.「辞め癖」を感じさせない職務経歴書の構成術

5回の転職歴がある場合、職務経歴書を「時系列(古い順)」で書くのは悪手です。「入職→退職」のセットが5回も繰り返されることになり、「辞めた事実」ばかりが強調されてしまうからです。

ここでは、**「キャリア式(経験領域別)」**のフォーマットを強くおすすめします。

【キャリア式の構成イメージ】

  1. 職務要約:「看護師経験〇年。急性期から在宅、介護施設まで多様な領域で経験を積み、どのような環境でも即戦力として貢献できる適応力を身につけました。」
  2. 専門スキル・経験領域: (ここをメインにする)
    • 【急性期・周術期領域】 〇〇病院、△△総合病院にて経験
      • 術後管理、ドレーン管理、救急搬送対応…
    • 【慢性期・高齢者看護領域】 ××病院、□□施設、他2施設にて経験
      • 認知症ケア、看取り、家族支援、退院調整…
  3. 職務経歴一覧:(最後に、病院名と在籍期間をリスト形式で簡潔に記載。退職理由はここでは書かず、詳細は面接で補足するスタンスでOK)

この構成にすることで、採用担当者の目は「何回辞めたか」ではなく**「どれだけ幅広いスキルを持っているか」**に向きます。5回の転職を「一貫性のない迷走」ではなく、「スキルを広げるための旅」であったかのように印象づけるテクニックです。

4.バラバラな経歴を「必然」に変えるストーリー作り

5回の転職理由がすべてバラバラだと、「飽きっぽい人」と判断されます。これまでの経歴を振り返り、後付けでも構いませんので、**「一つの軸」**を通してストーリーを作ってください。

【ストーリー構築の例】

  • 経歴: 急性期 → クリニック → 派遣 → 老健 → 訪問看護(今回応募)
  • 軸の構築:「新卒では急性期で救命技術を学びましたが、退院後の生活が見えないことに課題を感じました。その後、クリニックや施設で地域医療の現場を経験し、生活を支える看護の重要性を肌で感じました。これら『医療的な判断力』と『生活支援の視点』の両方を最も活かせる場として、訪問看護こそが私のキャリアの集大成であると確信し、志望いたしました。」

このように、「過去の転職はすべて、今回の職場に辿り着くために必要なプロセスだった」と定義づけることが重要です。

5.「ここを最後の職場にする」という退路を断つ覚悟

5回目の転職活動において、採用担当者が最も聞きたい言葉。それはスキル自慢ではなく、「もう転職しません」という確約です。

志望動機の結びには、必ず「定着の意思」を明確に入れてください。

<志望動機の結び例文>

「多くの現場を経験してきた私ですが、これまでの経験を通じて、自分が看護師として本当に大切にしたい価値観が明確になりました。貴院の理念はまさにその価値観と合致しており、ここを看護師人生の最後の職場とする覚悟で、腰を据えて貢献したいと強く願っております。」

「5回の転職」は、見方を変えれば、5つの現場を知る誰よりも経験豊富な人材です。過去の回数を恥じるのではなく、「豊富な引き出しがあるからこそ、貴院の役に立てる」と堂々と胸を張ってください。その自信と、相手の不安を先回りして解消する書類があれば、採用への道は必ず開けます。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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