看護師の面接はマスク着用が正解？好印象を与える選び方と「目元」で伝えるコミュニケーション術

医療現場における感染対策が日常となった現在、看護師の転職面接においても「マスク着用」が新たなスタンダードとして定着しています。しかし、表情が見えにくい分、どのように熱意や人柄を伝えればよいのか、あるいは挨拶の時だけは外すべきなのかと迷う転職者は少なくありません。医療従事者であるからこそ、マスクの扱いは単なるマナー以上に「感染管理への意識」として厳しく見られています。本記事では、看護師の面接におけるマスク着用の基本ルールから、マスク越しでも採用担当者に信頼感を与えるための話し方や表情作りのテクニックについて解説します。

面接でのマスク着用は「感染対策」としてのマナー

結論から言えば、現在の看護師転職面接において、マスクを着用したまま臨むことは「正解」であり、むしろ必須のマナーと言えます。病院や施設は免疫力の低下した患者様がいる場所であり、外部からウイルスを持ち込まないための配慮ができることは、看護師として当然の資質だからです。

入室時の挨拶や自己紹介の際も、勝手にマスクを外す必要はありません。もし顔を見せて挨拶すべきか迷う場合は、「感染対策のため、マスクを着用したままご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか」と一言断りを入れれば、丁寧で配慮のある印象を与えることができます。ただし、面接官から「本人確認のため一度マスクを外していただけますか」や「距離をとっているので外しても構いませんよ」と指示があった場合は、速やかに指示に従ってください。この「原則は着用、指示があれば柔軟に対応」という姿勢が、現場での対応力を感じさせます。

「白の不織布」以外はNG！医療従事者としての常識を疑われるマスク選び

面接で着用するマスクの種類には、明確なルールがあります。それは「白の不織布マスク」一択であるということです。

ファッション性の高いウレタンマスクや布マスクは、不織布に比べて飛沫防止効果が低いとされています。感染対策のプロである看護師が面接でこれらを着用していると、「エビデンスに基づいた感染管理意識が低い人」と判断され、即座に不採用の対象となりかねません。また、不織布であっても、黒やグレーなどの色付きマスクや、派手な柄が入ったものはビジネスシーンには不適切です。必ず清潔な白のプリーツ型（または立体型）不織布マスクを選び、サイズが合ったものを着用してください。鼻が出ていたり、頬に隙間が空いていたりする「鼻マスク」や「サイズ違い」も、管理能力の欠如とみなされるため注意が必要です。

マスク着用時は「目」と「声」で表情を作る

マスクで顔の半分が隠れている状態では、無表情に見えたり、声がこもって暗い印象を与えたりするリスクがあります。これをカバーするためには、普段よりも「目元」と「声」を意識的にコントロールする必要があります。

1. 「目で笑う」技術:口角を上げるだけでは、マスクの下の笑顔は伝わりません。目の周りの筋肉を使い、目尻を下げて優しく微笑む「目で笑う」表情を練習してください。眉毛を少し上げることで、表情豊かで明るい印象を作ることができます。
2. ワントーン明るく、ハキハキと話す:マスク越しでは声が通りにくいため、普段より少し大きめの声量で、ワントーン高い声を意識して話します。語尾までハッキリと言い切ることで、自信と誠実さが伝わります。
3. リアクションは1.5倍で:うなずきや相槌は、普段よりも少し大きく、ゆっくりと行うことで、相手の話を真剣に聞いている姿勢（傾聴力）が視覚的に伝わります。

「マスクを外してください」と言われた時のための準備

面接の途中で、本人確認や表情を見るために「少しの間、マスクを外してもらえますか」と言われることがあります。この一瞬のために、以下の準備を怠らないことが重要です。

• マスクケースを持参する:外したマスクを机の上に直接置いたり、カバンに無造作に入れたりするのは不衛生です。必ずマスクケースを持参し、そこにしまう所作を見せることで、衛生管理への意識の高さをアピールできます。
• 口元とメイクのチェック:マスクの下だからといって油断は禁物です。ファンデーションのヨレや口紅の付着、歯の汚れ、口臭ケアなどは事前にチェックしておきます。女性の場合は、マスクについても落ちにくいリップを使用し、血色感をキープしておくのが賢明です。男性の場合も、髭の剃り残しや鼻毛の処理など、細部まで身だしなみを整えておく必要があります。

マスクは「壁」ではなく「配慮」の証

マスクをしたままの面接は、お互いの表情が読み取りにくく、コミュニケーションの難易度が上がります。しかし、裏を返せば、それは医療従事者として互いの安全を守ろうとする「配慮」の証でもあります。

正しいマスク選びと、目元や声を使った丁寧なコミュニケーションを心がけることで、マスクという壁を越えて、あなたの誠実さや熱意は必ず伝わります。「感染対策もしっかりできる、信頼できる看護師だ」という評価を勝ち取るために、マスクを含めたトータルの身だしなみで面接に臨んでください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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