2社経験者の強みを活かす職務経歴書の書き方とサンプル解説

転職活動において2社の勤務経験があることは採用担当者にとって非常に魅力的な要素となります。基礎的なビジネススキルと一定の実務経験を併せ持ちつつ特定の企業文化に染まりすぎていない柔軟性を備えていると判断されるからです。しかし職務経歴書を作成する際には2つの異なる経験をどのように整理し一本のキャリアとしてアピールするかが課題となります。それぞれの企業での経験をただ羅列するだけではあなたの強みが分散して伝わってしまう可能性があります。本記事では2社経験者が書類選考を通過するために効果的な職務経歴書の書き方と具体的な構成サンプルについて解説します。

2社の経歴を効果的に見せるフォーマットの選択

2社経験者の場合職務経歴書のフォーマットは時系列に沿って記述する編年体式を選ぶのが最も一般的であり推奨されます。2社程度の経歴であれば時系列で追っても情報が複雑になりすぎず採用担当者がキャリアの変遷をスムーズに理解できるからです。用紙の枚数はA4サイズで2枚程度に収めるのが理想的です。1枚では情報不足となり3枚以上では冗長な印象を与えてしまいます。最新の職歴である2社目の記述を最も厚くし1社目の記述は基礎的なスキル習得の証明として簡潔にまとめることでメリハリのある読みやすい書類となります。もし2社の職種が全く異なる場合は職能別にまとめるキャリア式の導入も検討できますが基本的にはキャリアの流れが見えやすい編年体式が無難です。

1社目の記述サンプルとポイント

新卒や未経験で入社した1社目の経歴については社会人としての基礎体力や基本的な業務遂行能力をアピールする場と捉えます。記述内容としては入社後の研修内容や配属部署での役割習得したビジネスマナーなどを記載します。例えば株式会社〇〇にて新卒社員として営業部に配属され基礎的な顧客折衝スキルやビジネスマナーを習得しましたと記述します。具体的な実績があれば記述すべきですがもし数字での実績が少ない場合でも業務に対する姿勢やチームワークへの貢献など定性的な成果を記述することでポテンシャルを示すことができます。在籍期間が短い場合でも習得したスキルを明確に記すことで無駄な期間ではなかったことを主張します。

2社目の記述サンプルとポイント

直近の職歴となる2社目は採用担当者が最も注目するパートであり即戦力としての価値を証明する重要な部分です。ここでは具体的な業務内容と数値実績を詳細に記述します。例えば株式会社△△に転職後は法人営業リーダーとしてチーム目標の達成に貢献し昨対比120パーセントの売上を記録しましたと記述します。また1社目での経験を活かして2社目でどのように成長したかというストーリーを意識することも大切です。1社目で培った基礎の上に2社目で専門性を上乗せしたことを示すことで学習能力と成長意欲の高さをアピールできます。プロジェクトの規模や役割使用したツールなども漏れなく記載し実務能力の高さを客観的に伝えます。

キャリアの一貫性と適応力を自己PRにする

2社の経験があることは異なる環境に適応してきた実績の証明でもあります。自己PRではこの適応力の高さを強みとして記述します。異なる企業文化や業務フローの中で柔軟に対応し成果を出してきた経験は新しい職場でも早期に活躍できる根拠となります。記述例としては1社目のトップダウン型の組織と2社目のボトムアップ型の組織の両方で業務改善に取り組み環境に合わせた最適なアプローチを実行しましたと書きます。また複数の業界や職種を経験している場合は多角的な視点を持っていることをアピールし複合的なスキルセットが応募先企業の課題解決に役立つことを伝えます。退職理由と志望動機に一貫性を持たせ常にステップアップを目指してきた姿勢を示すことが重要です。

完成度を高めるための最終確認

2社の経歴をまとめる際は情報のバランスに注意が必要です。どちらか一方の記述が極端に少なかったり多かったりするとキャリアのバランスが悪い印象を与えてしまいます。それぞれの企業での在籍期間や重要度に応じて記述量を調整します。また社名や部署名などの固有名詞は省略せずに正式名称で記載します。特に合併や社名変更があった場合は現在の名称と当時の名称を併記するなど読み手への配慮を忘れないようにします。誤字脱字のチェックはもちろんのこと一貫性のあるレイアウトで見やすく整理された職務経歴書を作成することで几帳面さや仕事への丁寧さをアピールしてください。2社の経験を武器に変え自信を持って書類選考に臨みましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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