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事務職の職務経歴書は「見やすさ」が実力の証明。書類選考を突破するフォーマットと書き方の鉄則

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有効求人倍率が低く、常に競争率が高い「事務職」。人気のポジションでは、1人の採用枠に100人以上の応募が殺到することも珍しくありません。

そんな激戦区において、採用担当者は膨大な書類の中からどのように面接へ呼ぶ人を選んでいるのでしょうか。答えはシンプルです。「パッと見て、スキルレベルと事務処理能力の高さが伝わる書類」です。事務職にとって、職務経歴書のレイアウトそのものが、あなたの文書作成能力を証明する最初のテストとなります。

ここでは、事務職への転職を成功させるために選ぶべき最適なフォーマットと、採用担当者に「この人なら安心して仕事を任せられる」と思わせる書き方について解説します。

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事務職に最適なのは「逆編年体式」のWordフォーマット

事務職の職務経歴書において、奇をてらったデザインや個性的な構成は一切不要です。最も評価されるのは、**「逆編年体式」**のオーソドックスなフォーマットです。

なぜ逆編年体式か

直近の経歴から過去へと遡る形式です。事務職の業務内容は、使用するソフトや担当範囲によって専門性が異なります。採用担当者は「今、どのレベルのPCスキルがあり、どんな業務を回せるか」を最優先で確認したいため、直近の実績が冒頭に来るこの形式がベストです。

ExcelではなくWordを選ぶ理由

「事務職=Excel」というイメージからExcelで職務経歴書を作る方もいますが、提出用書類としては**Word(ワード)**を強く推奨します。

理由は、ビジネス文書としての「読みやすさ」です。送付状や議事録、社内規定の作成など、事務職は「読む人のことを考えた文書作成」が求められます。Wordでインデント(字下げ)や見出しを美しく整えた書類を作成すること自体が、あなたの高い事務処理能力を証明するプレゼンテーションになります。

採用担当者が必ずチェックする3つの「事務スペック」

「一般事務全般を担当」と書くだけでは不十分です。事務職の採用担当者は、即戦力かどうかを判断するために、以下の3つの情報を必ず探します。これらを具体的な「固有名詞」と「数字」で記載してください。

1. PCスキルと使用ソフト(バージョンまで)

事務職の命とも言える項目です。単に「Word、Excel」と書くのではなく、具体的な操作レベルを記載します。

  • Excel:VLOOKUP関数、ピボットテーブル、IF関数、マクロ(VBA)の修正・構築など。
  • Word:差し込み印刷、校閲機能、スタイル設定など。
  • PowerPoint:アニメーション設定、スライドマスターの編集など。
  • その他:Access、勘定奉行、弥生会計、Salesforce、SAPなどの業務システム使用経験。

2. 業務の「量」と「スピード」

事務処理の能力を測るために、処理していたボリュームを数字で示します。

  • 「請求書発行:月平均300件(月末3営業日で処理完了)」
  • 「データ入力:1日平均1,000件(ミス率0.1%以下)」
  • 「電話対応:1日約50件(取次、クレーム一次対応)」

3. 担当範囲の広さ

「言われたことだけやる」のか「幅広くサポートできる」のかを判断します。

  • 備品管理、発注業務
  • 来客対応、お茶出し
  • ファイリング、郵便物管理
  • 営業用資料の作成補助

「定型業務」を「実績」に変える書き方テクニック

事務職の方からよく聞かれる悩みが「ルーチンワークばかりで、アピールできる実績がない」というものです。しかし、事務職の価値は「正確性」と「効率化(カイゼン)」にあります。以下のように視点を変えて記述してみてください。

効率化への貢献

  • Before:毎月の会議資料を作成しました。
  • After:会議資料のフォーマットを統一し、集計用Excelにマクロを組むことで、作成時間を毎月5時間から2時間に短縮しました。

正確性とリスク管理

  • Before:伝票入力を行いました。
  • After:入力ミスを防ぐためにダブルチェック体制を提案・マニュアル化し、入力ミスをゼロにしました。

周囲へのサポート(ホスピタリティ)

  • Before:営業部のサポートを行いました。
  • After:営業担当が外出先でも確認しやすいよう、顧客リストをクラウド化し、営業部全体の残業時間削減に貢献しました。

職種別・アピールポイントの微調整

「事務」とひとくくりにせず、応募するポジションに合わせて強調するポイントを変えます。

  • 一般事務・庶務「柔軟性」と「コミュニケーション能力」を強調します。突発的な依頼にも笑顔で対応できる姿勢や、社内調整の経験を書きます。
  • 営業事務「スピード」と「先読み力」を強調します。営業担当が売ることに集中できるよう、見積書作成のスピードや、納期調整における折衝能力をアピールします。
  • 経理事務・総務「専門知識」と「正確性」を強調します。簿記などの資格はもちろん、月次決算の補助経験や、社会保険手続きの経験など、専門的な業務範囲を具体的に記述します。

自己PRで伝えるべき「縁の下の力持ち」としてのプライド

フォーマットの最後にある自己PR欄では、PCスキル以外の「スタンス(仕事への向き合い方)」を伝えます。

  • サポートへの意欲「誰かの役に立つことにやりがいを感じる」「『ありがとう』と言われることがモチベーションになる」といった献身的な姿勢。
  • 学ぶ姿勢「新しいソフトやシステムに対しても、マニュアルを読み込んで早期に習得できる」といったITリテラシーへの自信。

事務職の職務経歴書は、あなたの「几帳面さ」と「気配り」を映し出す鏡です。

誤字脱字がないのは当然として、レイアウトの美しさ、情報の探しやすさにまでこだわったフォーマットを作成することで、採用担当者に「この人に事務を任せたい」と思わせる書類を完成させてください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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