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臨床工学技士の職務経歴書は「操作機器」と「症例数」が命。書類選考を突破するフォーマットと書き方

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臨床工学技士(CE)の転職活動において、職務経歴書はあなたの「技術者としてのスペック表」であり「臨床経験の証明書」です。

一般的な事務職向けのフォーマットをそのまま使い、「透析業務全般」「機器管理業務」とだけ書いて提出していませんか? それでは、医療機関や医療機器メーカーの採用担当者(技士長や人事担当)には何も伝わりません。彼らが知りたいのは、「どのメーカーのどの機種を使えるか」「どの手技を何件経験したか」という具体的な技術データです。

ここでは、臨床工学技士の実力を正確に伝え、書類選考を確実に通過するための最適なフォーマット選びと、業務分野別の書き方の鉄則について解説します。

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臨床工学技士に最適なのは「逆編年体式」+「業務別一覧表」

臨床工学技士の職務経歴書では、直近の勤務先から順に記載する**「逆編年体式」**のフォーマットが基本です。医療機器は日進月歩であり、直近で扱っていたモダリティやデバイスが即戦力性の判断基準になるからです。

しかし、時系列に文章を書くだけでは不十分です。このフォーマットの中に、必ず**「業務分野別の詳細一覧表」**を組み込む必要があります。

透析、人工心肺、カテーテル、機器管理など、CEの業務は多岐にわたります。これらを混在させず、カテゴリごとに「使用機器(メーカー・型番)」「経験年数」「症例数」を整理して見せるスタイルが、最も採用担当者に好まれます。作成はWord(ワード)で行い、マニュアル作成やデータ管理に必要なPCスキルも同時にアピールしましょう。

【分野別】採用担当者が必ずチェックする技術要件

採用担当者は、現場の体制強化のために具体的なスキルを持った人材を探しています。ご自身の経験領域に合わせて、以下の項目を数字と固有名詞で埋めてください。

1. 透析業務(血液浄化)

透析クリニックや病院への転職で最も重視される項目です。

  • 使用コンソール:メーカー名(日機装、東レ、JMSなど)と型番(DCS-100NXなど)。
  • 対応モード:HD、HDF(オンライン/オフライン)、I-HDFなど。
  • 穿刺スキル:穿刺の可否は採用を左右します。「シャント穿刺可能(難穿刺対応可)」など具体的に。
  • 規模と件数:ベッド数、1日の回転数(2クールなど)、プライミングや返血の対応件数。

2. 手術室・人工心肺業務

高度急性期病院への転職で必須となる項目です。

  • 人工心肺操作:年間症例数、メイン操作の経験年数、使用ポンプのメーカー。
  • 補助循環:IABP、PCPS(ECMO)、VADの管理経験と、導入・離脱の立ち会い件数。
  • 自己血回収:使用装置と対応件数。
  • 内視鏡外科手術:ダヴィンチ(ロボット支援手術)のセットアップ経験など。

3. 心臓カテーテル検査・治療(アンギオ)

  • 対応検査:CAG、PCI、EVT、アブレーション(EPS)など。
  • 使用機器:ポリグラフ、IVUS/OCT、EPワークメイトなどのメーカー名。
  • 役割:清潔野での介助(手洗い)が可能か、外回り(操作・記録)メインか。
  • 緊急対応:オンコール体制での出動頻度。

4. ME機器管理業務

  • 管理台数:人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプなどの管理台数。
  • 保守点検:日常点検だけでなく、メーカー講習を受けた上での定期点検(オーバーホール等)が可能か。
  • 管理システム:MARISなどのME機器管理システムの使用経験。

認定資格は「専門性」と「意欲」の証明

臨床工学技士免許以外に、学会や職能団体が認定する専門資格を持っている場合は、必ず正式名称で記載してください。これらは書類選考において強力な加点要素となります。

  • 透析技術認定士
  • 体外循環技術認定士
  • 呼吸療法認定士
  • 3学会合同不整脈治療専門臨床工学技士
  • 臨床ME専門認定士
  • 第1種・第2種ME技術実力検定
  • MDIC(医療機器情報コミュニケータ)

企業(アプリケーションスペシャリスト)へ転職する場合

医療機器メーカーや商社の「アプリケーションスペシャリスト」や「フィールドサービスエンジニア」を目指す場合は、アピールポイントを変える必要があります。

  • 「操作」から「説明」へ機器を使えるだけでなく、「医師や看護師に対して操作説明を行った経験」や「院内勉強会の講師実績」を強調します。
  • コミュニケーション能力多職種と円滑に連携したエピソードや、トラブルシューティングで現場を落ち着かせた経験など、顧客折衝能力をアピールします。

自己PRで伝えるべき「安全管理」と「チーム医療」

フォーマットの最後にある自己PR欄では、技術以外のプロフェッショナルな姿勢を伝えます。

  • 医療安全(リスクマネジメント)「ヒヤリハット報告を推進し、事故防止策をマニュアル化した」「機器のトラブル対応フローを作成し、ダウンタイムを削減した」といった、安全を守るための能動的な動き。
  • チーム医療への貢献「医師に対してデバイスの選択を提案した」「看護師向けに人工呼吸器の勉強会を主催し、病棟のスキルアップに貢献した」といった連携力。
  • 後輩指導・教育「プリセプターとして新人教育プログラムを作成した」など、組織への貢献。

臨床工学技士の職務経歴書は、あなたの「技術」と「経験」を可視化するカタログです。

「どの機械を、どれくらい使いこなせるか」を整理されたフォーマットで提示し、採用担当者に「この人なら即戦力として現場を任せられる」と思わせる書類を作成してください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
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