設計職の職務経歴書は「プロジェクト経歴」で決まる。技術力が伝わるフォーマットと書き方の鉄則
建築、機械、電気・電子、プラントなどの「設計職」における転職活動では、職務経歴書の書き方が合否を大きく左右します。一般的な事務職や営業職向けのフォーマットでは、設計者としての「技術の幅」や「担当した製品のスペック」を十分に書ききれず、採用担当者に実力が伝わらないリスクがあるからです。
設計職の採用担当者が知りたいのは、「どこの会社にいたか」よりも「何を作り、どのツールを使い、どの工程を担当できるか」という具体的な技術情報です。ここでは、設計職の実力を最大限にアピールするためのフォーマット選びと、必須項目の書き方について解説します。
設計職に最適なのは「キャリア式(プロジェクト形式)」
設計職の職務経歴書において、単に時系列で在籍企業を並べるだけの「編年体式」は不向きです。設計者のスキルは、携わったプロジェクトの難易度や規模によって判断されるため、案件ごとに詳細を記述できる**「キャリア式(プロジェクト形式)」**のフォーマットを選ぶのが鉄則です。
具体的には、職務経歴書のメイン部分を「主な担当プロジェクト一覧」として表形式にし、そこに製品ごとの仕様や役割を落とし込んでいくスタイルが最も評価されやすくなります。Wordで作成するのが一般的ですが、多数のプロジェクト実績を表形式で整理したい場合はExcelを活用するのも有効です。
採用担当者が必ずチェックする4つの技術要件
メーカーや設計事務所の採用担当者(技術部長や現場マネージャー)は、即戦力かどうかを判断するために、以下の4つの情報を必ずチェックします。これらが曖昧だとスキルの判定ができず、書類選考で弾かれる可能性があります。
1. 対象製品・建築物のスペック(仕様)
「自動車部品の設計」や「マンション設計」と書くだけでは不十分です。技術的な難易度を示すために、具体的なスペックを記載します。
- 機械設計:製品名、サイズ、材質(樹脂、板金など)、加工法
- 建築設計:用途、構造(RC造、S造など)、階数、延床面積
- 電気設計:回路の種類(アナログ・デジタル)、電圧、制御対象
2. 具体的な担当フェーズ(工程)
上流から下流まで、どこを担当したかを明確にします。
- 構想設計・要件定義
- 基本設計・詳細設計
- 試作・評価・テスト
- 量産立ち上げ・生産技術への引継ぎ
「設計補助(トレース)」なのか「ゼロからの新規設計」なのかによって評価は大きく異なります。
3. 使用ツール(CAD・CAE・解析)
使用できるツールの名称とバージョン、習熟度を記載します。
- 2D CAD:AutoCAD、Jw_cadなど
- 3D CAD:CATIA、SolidWorks、NX、Creoなど
- 解析ツール:ANSYS、Nastranなど
特に3D CADのスキルは即戦力性の証明になります。「モデリングのみ可能」「アセンブリ作成可能」「解析まで可能」など、レベル感を具体的に書くと親切です。
4. 役割とチーム体制
「主担当(チーフ)」として仕様検討から行ったのか、「メンバー」として部分的な図面作成を担当したのかを明確にします。また、チームの人数や、協力会社(外注)との折衝経験についても触れることで、マネジメント能力や調整力を伝えることができます。
機密保持(守秘義務)への配慮
設計職の場合、開発中の製品や未発表の技術に関わることが多く、守秘義務への配慮が必要です。具体的な製品名や取引先企業名を出せない場合は、以下のように表現を工夫して、技術的な要素だけは伝わるようにします。
- NG:「A社の次期スマートフォン『〇〇』の筐体設計」
- OK:「大手通信機器メーカー向けハイエンドスマートフォンの筐体設計(防水・防塵仕様)」
固有名詞を伏せつつ、製品の「特性」や「技術的課題」を具体的に書くことで、コンプライアンス意識と技術アピールを両立させます。
【分野別】アピールポイントの書き分け
機械設計エンジニアの場合
「コストダウン(VE/CD)」と「量産性への配慮」を強調します。設計だけでなく、金型要件を考慮した形状検討や、部品点数削減によるコストダウン実績(年間〇〇万円削減など)は強力なアピールになります。
建築設計(意匠・構造・設備)の場合
「法適合」と「デザイン意図の具現化」を強調します。確認申請業務や行政協議の経験、施主の要望をどう図面に落とし込んだかというプロセスを記載します。ポートフォリオがある場合は、職務経歴書にリンクを記載します。
電気・電子回路設計の場合
「ノイズ対策(EMC)」や「規格対応」を強調します。回路設計だけでなく、基板のアートワーク設計や、海外の安全規格対応などの経験があれば、希少価値の高い人材として評価されます。
自己PRで伝えるべき「設計者としてのスタンス」
フォーマットの最後にある自己PR欄では、図面スキル以外での貢献度を伝えます。
- DR(デザインレビュー)での提案力問題点を早期に発見し、手戻りを防ぐためにどのような提案を行ったか。
- 他部署との調整力営業、生産技術、製造現場、品質保証など、利害関係の異なる部署とどのように連携し、製品を形にしたか。
設計職の職務経歴書は、あなたの「技術仕様書」です。プロジェクトごとの詳細なスペックと実績を記述できるフォーマットを選び、エンジニアとしての解像度の高さをアピールしてください。





