理学療法士の職務経歴書で書類選考を突破する職務要約の書き方と施設別例文集
理学療法士(PT)の有資格者は年々増加しており、人気の高い急性期病院や好条件の訪問看護ステーション、整形外科クリニックへの転職は競争率が高くなっています。採用担当者は、資格を持っていることは前提として、どのような疾患期を経験し、1日にどれくらいの単位数をこなしてきたかという実務能力をシビアに評価します。職務経歴書の冒頭にある職務要約は、あなたの臨床経験と強みを短時間で伝えるための重要なスペースです。ここでは、理学療法士としての経験を魅力的なスキルとして言語化し、書類選考を通過するための職務要約の書き方のポイントと、施設形態別の具体的な例文を紹介します。
理学療法士の採用担当者が職務要約で重視する3つのポイント
リハビリテーション科の科長や採用担当者が応募書類を見る際、職務要約を通じて以下の3点を重点的に確認し、自院での即戦力性を判断しています。
- 経験した病期と疾患の幅急性期、回復期、生活期(維持期)のどのステージを経験したかは最も重要な情報です。また、脳血管、運動器、呼吸器、心大血管、がんなど、担当した主な疾患分野を明記することで、専門性の高さを伝えます。
- 臨床のボリュームと実績1日あたりの取得単位数(18単位から21単位など)や担当患者数を記載し、業務のスピード感やタフさを伝えます。また、FIM利得の向上や在宅復帰率への貢献、カンファレンスでの発言力など、チーム医療の中でどのような役割を果たしたかも評価対象です。
- 教育経験とプラスアルファの活動後輩や実習生(学生)の指導経験、院内委員会の活動、認定理学療法士などの資格取得状況、学会発表の経験などは、組織への貢献意欲や学習意欲の高さを示す重要な要素となります。
職務要約の適切な文字数と構成テクニック
職務要約の最適な文字数は200文字から300文字程度です。採用担当者が30秒程度で読み切れる分量にまとめるのが理想的です。以下の3つの要素を組み込むことで、読みやすく説得力のある要約になります。
- 誰に(どこで):勤務した施設の形態(総合病院、回リハ、クリニックなど)、病床数、経験年数。
- 何を(業務):主な対象疾患、1日の単位数、担当業務。
- どうやって(実績):チーム医療への貢献、資格取得、退院支援の実績。
急性期病院での経験をアピールする例文
急性期病院の経験者は、リスク管理能力の高さや早期離床への取り組み、多職種とのスピーディーな連携をアピールします。
例文
理学療法士として5年間、300床規模の急性期総合病院にて勤務してまいりました。
主に脳血管疾患および整形外科疾患の急性期リハビリテーションを担当し、術後翌日からの早期離床とリスク管理を徹底しました。1日平均18単位を取得しつつ、医師や看護師と密に連携を取り、早期の在宅復帰や転院調整に貢献しました。また、院内の転倒転落予防委員会のメンバーとしてマニュアル改訂に携わり、インシデント件数の削減にも寄与しました。これまでのリスク管理能力とチーム医療の経験を活かし、貴院の地域医療に貢献したいと考えています。
回復期リハビリテーション病棟での経験をアピールする例文
回復期の経験者は、FIM(機能的自立度評価法)の向上実績や、家屋評価、家族指導を通じた在宅復帰支援のスキルをアピールします。
例文
回復期リハビリテーション専門病院(150床)にて4年間勤務し、脳血管疾患の患者様を中心に在宅復帰支援に従事してまいりました。
機能回復訓練だけでなく、退院後の生活を見据えたADL訓練や家屋調査、ご家族への介助指導に注力しました。その結果、担当患者様の在宅復帰率85パーセントを達成しました。また、病棟カンファレンスではPTの視点から積極的に提案を行い、チームアプローチの強化に努めました。現在は認定理学療法士(脳卒中)の取得を目指して学習を続けております。これまでの退院支援の経験を活かし、貴院の患者様のQOL向上に尽力します。
訪問看護ステーション(訪問リハ)での経験をアピールする例文
訪問リハビリの経験者は、単独での訪問業務を遂行する責任感や、生活環境に合わせた環境調整能力、多職種連携をアピールします。
例文
訪問看護ステーションにて3年間、訪問リハビリテーション業務に従事してまいりました。
1日平均5件から6件の訪問を担当し、維持期の患者様や難病の方の在宅生活を支援しました。限られた住環境の中で最大限の機能を引き出すための環境調整や、福祉用具の選定提案を得意としています。また、ケアマネジャーや主治医への報告・連絡・相談を迅速に行い、信頼関係の構築に努めました。利用者様とそのご家族の生活に寄り添う「生活リハビリ」の視点を活かし、貴ステーションの地域包括ケアシステムの推進に貢献します。
整形外科クリニックでの経験をアピールする例文
クリニックの経験者は、多くの外来患者様に対応する処理能力や、徒手療法などの特定の技術スキル、患者満足度への意識をアピールします。
例文
整形外科クリニックにて6年間、外来リハビリテーションおよび運動器リハビリテーションに従事してまいりました。
1日平均20名以上の患者様を担当し、徒手療法と運動療法を組み合わせた施術で痛みの軽減と機能改善に努めました。特にスポーツ障害の患者様に対しては、フォーム指導や再発予防のトレーニング指導を行い、高い患者満足度を得てまいりました。また、物理療法機器の管理やリハビリ助手の指導も行い、円滑なリハビリ室の運営に貢献しました。これまでの臨床経験と接遇スキルを活かし、地域に愛される貴院の運営に貢献します。
職務要約を書く際の注意点
理学療法士の職務要約を書く際によくある失敗として、単に「リハビリ業務を行いました」という事実だけの記載になってしまうことが挙げられます。PTであればリハビリができるのは当たり前です。「どのような疾患に強みがあるか」「どの程度の重症度を見ていたか」「チームの中でどのような役割を担っていたか」といった具体的な情報を盛り込むことで、他の応募者との差別化を図ってください。また、3学会合同呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士などの関連資格がある場合は、専門性を示す強力な武器になるため必ず記載するようにします。





