未経験転職でも書類選考は通過する。職務経歴書の職務要約で「ポテンシャル」を証明する書き方と例文

未経験の職種や業界へキャリアチェンジをする際、職務経歴書の「職務要約」になにを書くべきか悩む方は非常に多くいらっしゃいます。「経験がないので書くことがない」「前職の経験を書いても評価されないのではないか」と不安になるからです。しかし、採用担当者が未経験者採用において見ているのは、専門スキルそのものではなく、過去の経験から培った「基礎能力（ポータブルスキル）」と、新しい環境への「適応力」です。未経験であることをネガティブに捉えず、これまでのキャリアを新しい仕事にどう活かせるかを論理的に説明できれば、書類選考の通過率は格段に上がります。ここでは、未経験転職を成功させるための職務要約の書き方のポイントと、職種変換のパターン別例文を紹介します。

未経験採用で企業が職務要約に求めている3つの要素

企業が未経験者を募集する場合、即戦力となる専門知識は最初から期待していません。その代わりに、職務要約を通じて以下の3点を確認し、採用後の活躍イメージを持とうとします。

1. 汎用的なビジネススキル（ポータブルスキル）業種や職種が変わっても持ち運び可能なスキルのことです。「コミュニケーション能力」「課題解決力」「ＰＤＣＡを回す力」「ＰＣスキル」などが該当します。前職でこれらを身につけていれば、新しい仕事も早期に習得できると判断されます。
2. 学習意欲と能動的な姿勢未経験だからこそ、自ら学ぶ姿勢が必須です。「教えてもらうのを待つ」のではなく、独学で資格を取得したり、前職でも自主的に改善に取り組んだりした経験があるかを見ています。
3. キャリアチェンジの納得感なぜその職種を目指すのか、前職のどのような経験がきっかけになったのかという一貫性です。ここが繋がっていると、単なる「隣の芝生が青く見えた」転職ではないことが伝わります。

経験を「強み」に変換する書き方のテクニック

職務要約の文字数は200文字から300文字程度が目安です。未経験職種への応募では、前職の業務内容を細かく書くよりも、前述の「ポータブルスキル」に変換して書くことが重要です。

• 飲食店での接客経験×「ホールで注文を取り、配膳をしていました」〇「お客様の状況を常に観察し、先回りして行動する観察力とホスピタリティを培いました」
• 工場のライン作業経験×「部品の組立作業を行いました」〇「業務プロセスの改善提案を行い、生産効率を上げるための論理的思考力を養いました」
• 営業での売上達成経験×「商品を売っていました」〇「顧客の課題を聞き出し解決策を提示するヒアリング能力と提案力を磨きました」

【接客・販売から事務職へ】正確性とPCスキルをアピールする例文

接客業から事務職を目指す場合は、金銭管理などの正確性や、店舗運営で培ったマルチタスク能力、そして学習中のPCスキルをアピールします。

例文

アパレル販売員として4年間勤務し、接客販売および店舗運営業務に従事してまいりました。

顧客満足度向上のための接客はもちろん、店舗の在庫管理や売上日報の作成を通じて、数字を正確に扱う事務処理能力を養いました。また、繁忙期には優先順位を判断して複数の業務を同時並行で進めるマルチタスク能力を身につけました。事務職は未経験ですが、現在はMOS資格の取得に向けて学習しており、Word・Excelの基本操作は習得済みです。前職で培ったコミュニケーション能力と責任感を活かし、貴社の業務を円滑にサポートできるよう尽力します。

【営業職からエンジニア・ITへ】論理的思考と学習をアピールする例文

営業職からエンジニアなどの技術職を目指す場合は、課題解決型の思考プロセスや、独学での成果物（ポートフォリオ）への取り組みをアピールします。

例文

法人営業として5年間、製造業向けの課題解決型提案営業に従事してまいりました。

顧客の潜在的な課題をヒアリングし、論理的に解決策を提示するプロセスを通じて、エンジニアにも通じるロジカルシンキングを培いました。業務効率化のためにVBAを独学し、営業数値を自動集計するツールを作成したことを機に、システム開発の奥深さに魅力を感じました。現在はプログラミングスクールにてJavaを学習しており、基礎的なWebアプリを個人開発しました。前職で培った「顧客視点」と持ち前の「学習意欲」を活かし、技術者として貴社のサービス開発に貢献したいと考えています。

【事務職から営業・企画へ】調整力と企画遂行力をアピールする例文

事務職から営業や企画職を目指す場合は、単なる作業者ではなく、周囲を巻き込んで業務を進める調整力や、社内改善の提案実績をアピールします。

例文

一般企業の営業事務として4年間勤務し、受発注業務および営業担当者10名のサポート業務に従事してまいりました。

単に事務処理を行うだけでなく、営業担当者が商談に集中できるよう資料作成を先回りして行い、チームの売上目標達成に貢献しました。また、社内のペーパーレス化プロジェクトに参加し、他部署と連携して新システムの導入を推進した経験から、自ら企画し実行することにやりがいを感じました。今後は事務で培った「正確性」と「社内調整力」を活かし、貴社の営業職として顧客の課題解決に能動的に取り組みたいと考えています。

未経験の職務要約を書く際の注意点

未経験の場合、「未経験ですが頑張ります」「勉強させてください」といった受け身の姿勢は避けるべきです。企業は学校ではありません。未経験であっても、これまでの社会人経験の中に必ず活かせる要素があります。「前職の〇〇の経験は、貴社の〇〇の業務に活かせると考えています」と言い切ることで、プロフェッショナルとしての自信と、新しいキャリアへの覚悟を伝えてください。また、資格取得中であれば「〇月に取得予定」と具体的に書くことで、本気度を示すことができます。

応募書類の作成を専門家へ相談して転職成功

おすすめの転職エージェント

サイトの目的や、書類作成アドバイスを詳しく知る

応募書類マスター

応募書類マスター

サイトの目的

応募書類マスター

応募書類作成のアドバイス

転職活動の状態ごとに、必要な知識を学べる

おすすめ転職支援サイト

キャリアプランの相談

キャリアプラン案内所

面接のアドバイス

面接のトリセツ

年収交渉アドバイス

給与交渉ナビ

ライト

キャリアアドバイザー

人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
※当サイト記事はリンクフリーです。ご自身のサイトへ自由にお使い頂いて問題ありません。ご使用の際は、文章をご利用する記事に当サイトの対象記事URLを貼って頂ければOKです。